JX金属子公司东邦钛宣布为AI数据中心用高端MLCC扩产超微粉镍,茅崎工厂2027年起分阶段投产、小粒径品产能翻倍(未披露投资额)
事件真实、一手且新鲜,但性质是超大市值发行人的未量化长期资本开支计划:实施主体东邦钛已退市,唯一可交易载体JX金属市值约3.42万亿日元,镍粉在其信息通信材料分部(FY2025营收2,651亿日元,含东邦钛与Tatsuta电线约51%)中占比很小,公告既无投资额、无产能吨数、无客户承诺,也未改动8月已上修的业绩指引,1–10日窗口内无可测盈利或供需约束增量,风险回报不成立;二阶映射中A股镍粉纯标的博迁新材面临的是竞争供给增加+叙事已被内部KB充分覆盖+股价持续阴跌三重削弱,MLCC下游厂商因果链过弱,故全链AVOID。
展开详情(成交明细 / 研究档案 / 原文全文 / 决策记录链)
研究档案
结论摘要
一手事实:JX金属2026-09-10新闻稿称子会社东邦钛将增产MLCC内电极用超微粉镍(小粒径品),茅崎工厂2027年起阶段性稼动、产能翻倍,理由为AI数据中心高端MLCC需求;未给投资额、吨数、客户或业绩影响。影响链:镍粉→高端MLCC内电极→AI服务器/数据中心电子部品;但受益主体是集团内已退市子公司,唯一上市载体为市值约3.42万亿日元、PE约34倍的JX金属,该品类占其信息通信材料分部的小份额,属长期成长资本开支,短线无盈利增量,且JX金属今日下跌约2%、距60日高点-28%。二阶映射:内部KB(2026年7月华福电新镍粉专家纪要)已明确全球MLCC镍粉需求约8千–1万吨/年、AI占比10%–15%、2027年增速50%+,且≤80nm仅博迁新材与昭荣两家供应——东邦钛此次扩产对博迁新材是需求验证与竞争供给并存,方向不单一且非新增信息;博迁新材20日跌21%、距60日高-55%、13周指数轨迹128→63持续下行,无做多edge,做空也缺乏明确强空催化。结论:无正期望可执行腿,全部AVOID。
关键理由
- 事件为真实一手披露,但只是2027年起分阶段投产、未披露金额与产能吨数的成长性资本开支,相对JX金属约3.42万亿日元市值和8月已上修的1,100亿日元营业利润指引,短线无盈利或供需约束增量
- 实施主体东邦钛已于2026-06-01换股退市,唯一可交易载体是大市值母公司,软催化不具备可测的1–10日edge
- A股二阶映射(博迁新材)既受需求验证又受同业小粒径产能竞争压制,且AI镍粉叙事自2026年7月起已被内部研报/专家纪要充分覆盖,叠加股价持续阴跌,无正期望入场
主要风险
- 若后续披露投资额、产能吨数或AI客户供货承诺,或JX金属据此上修分部指引,materiality判断需重做(届时可能转为可交易)
- 把东邦钛扩产简单读成A股镍粉板块利好属于方向误判:小粒径段新增供给可能挤压博迁新材与昭荣的价格与份额
反向证据
- 做多前查反向 · 来源 filing · 日期 2026-09-10 · 影响 weakens
公司自述中長期事業目標以2024年5月前提为基础,若关税等宏观冲击扩大可能重估目标;同时明确认知半导体/信息通信材料的需求下振风险——即扩产属带需求风险的成长投资,而非已锁定的收益增量
检索:JX金属 业绩 上方修正 关税 需求下行 风险 中長期事業目標 原文 ↗ - 做多前查反向 · 来源 kb_search · 日期 2026-07-05 · 影响 weakens
内部专家纪要:全球MLCC镍粉需求约8千吨/年、AI占比仅10%–15%(村田最高20%–25%),昭荣化学全球第一、JFE(CVD)与住友金属矿山(液相还原,已具50–80nm储备)同在竞争;本次东邦钛进入小粒径段进一步加剧供给竞争,且需求叙事早在7月已被覆盖,非新增事实
检索:博迁新材 镍粉 竞争格局 昭荣化学 JFE 住友金属矿山 AI镍粉 需求占比 扩产 原文 ↗ - 做多前查反向 · 来源 filing · 日期 2026-09-10 · 影响 invalidates
行情显示20日累计-20.95%、距60日高点-54.96%、13周指数化轨迹128→63持续下行、量比0.65,无事件前抢跑也无同向放量,属持续阴跌而非低位反弹机会
检索:博迁新材 股价轨迹 抢跑 放量 20日涨跌 距高 原文 ↗
先例如何影响了这次决策
对本次决策的影响:先例缺失未改变结论:本条AVOID的核心依据是超大市值+未量化长期资本开支的materiality不足与实施主体退市,而非幅度校准
方向:未取得可定量的同市场同相位先例,无法给出胜率或方向基率
涨幅量级:无锚点干净的高相似先例,未据此设定任何tp/sl;本轮结论不依赖幅度校准
形态:未见可核验的见光死/高开低走样本;仅从当日盘中价格(-2.05%、量比1.22)观察到无同向反应,属单点观察而非先例统计
工具执行结果 · 成功 8 · 降级 2 · 失败 0 · 取消 0
- search_processed_events 成功 stock_tools HTTP · 432 ms
{"result": "search_processed_events:agent query=`aiデータセンター向け mlcc ニッケル 茅ヶ崎工場 | jx advanced metals integrated report 2025 | jx金属 mlcc ニッケル粉 増産 | 東邦チタニウム 超微粉ニッケル 生産能力増強 | 超微粉镍粉 mlcc 扩产`;结构化索引覆盖完整 72 小时;旧记录兼容扫描近 28.7/72 小时、1535 条本臂决策(完整),返回 0 条候选。未命中只表示这些 agent query 表达式没有召回候选,不能据此证明消息首发或不是重复;按当前事件继续正常 - query_modeling_kb 成功 stock_tools HTTP · 40 ms
{"result": "modeling_kb 命中 12 条 (库快照 2026-07-27 · AI 算力链 19 页 · 本次命中证据最新 2026-06-18 · 其中 ⟨预测⟩ 8 条) —— 这是**定期重生成的快照**,不是活数据;比快照更晚的事实以你手上的信号/kb_search 为准。\n\n• [A] 三星电机 MLCC 季度营收(十亿韩元) · 表6 · 全球 MLCC 市场规模 / 龙头 MLCC 营收 · CY2026E = 1282 十亿韩元/季 ⟨预测⟩[1]\n 依据: 三星电机 MLCC 2026Q1 季度营收 1,282 十亿韩元(环比增长,从 984 - kb_search 成功 stock_tools HTTP · 2,382 ms
{ - fetch_decision_experience 成功 stock_tools HTTP · 11 ms
{ - direct_instrument_candidates 成功 stock_tools HTTP · 22 ms
{ - stock_quote 降级 stock_tools HTTP · 4,188 ms
{ - stock_quote 成功 stock_tools HTTP · 238 ms
{ - search_case_library 成功 stock_tools HTTP · 20 ms
{"result": "search_case_library「5016.JP,605376.SH」无历史决策命中(我们过去没在这些标的上决策过,或历史尚未回填)。\n◆ 5016.JP:相关历史决策 15 条 · 其中该标的 ENTER 9 条(60.0%) · 已结算 6 笔 · 胜率 50% · 中位 -0.34% · 均值 +0.95% ⚠️只有 6 笔,样本太薄,只能当线索不能当规律\n◆ 605376.SH:相关历史决策 47 条 · 其中该标的 ENTER 3 条(6.4%) · 已结算 3 笔 · 胜率 67% · 中位 +5.49% · 均值 +1.07% ⚠️只有 3 笔, - stock_quote 降级 stock_tools HTTP · 4,501 ms
取价失败: RuntimeError: yfinance returned no quote for 5727.T - kb_search 成功 stock_tools HTTP · 2,216 ms
{
原文全文
展开原文 · 60,000 字
2025
JX Advanced Metals
JX金属 統合報告書
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
イントロダクション
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
1
理念体系 目次 編集方針 At a Glance
JX金属グループ行動規範
JX金属グループフィロソフィー
1. 社会への価値の提供
枠にはまらずより良いものを追求し、製品·技術等を通じて
社会に価値を提供することで、明るい未来を創造します。
2. コンプライアンスの徹底及び公正な取引等の実施
法令·社会規範·社会良識に則って誠実に行動します。公
正且つ自由な競争に基づいて取引を行い、政治·行政と
は健全な関係を保ち、また、反社会的勢力には毅然とし
て対応します。
3. 会社情報の開示
会社情報の適時·適切な開示を通じて、株主をはじめと
するステークホルダーと建設的な対話を行います。
4. 情報資産·知的財産の管理
製品·技術を支える情報資産·知的財産を適切に管理し、
技術的な競争優位性の確立に努めます。
5. 人権の尊重
人権に関する国際規範を尊重し、地域住民·顧客·従業
員·取引先を含めすべての人々の人権を尊重した事業活
動を行います。
6. 従業員の健康と健全な職場環境の確保
安全衛生·防災を最優先とし従業員の健康を確保すると
ともに、ダイバーシティを尊重し、多様な人材が能力を
最大限に発揮できる働きやすい健全な職場環境を確保
します。
7. 地球環境の保全
環境問題への取り組みは人類共通の課題であり、企
業の存在と活動に必須の要件であるとの認識のもと、
地球環境の保全活動に自主的、積極的かつ継続的に
取り組みます。
8. 社会との共存共栄
すべての国や地域の人々の環境·文化·慣習を尊重
し、対話·連携·協働を行うとともに、事業活動や社会
貢献活動を通じて地域社会における積極的な役割を
果たします。
9. リスクマネジメントの充実·強化
根拠あるデータに基づくマネジメントシステムを構築
し、リスクマネジメントを充実·強化します。
10. 経営幹部の責務
経営幹部は、この規範を率先垂範·周知徹底し、グ
ループ全体がこれに従って行動できるようガバナンス
体制を構築するとともに、規範に反する事態が生じた
ときには、自ら問題解決·原因究明·再発防止等に当
たり、事業経営における健全性·透明性を確保するた
めの責任を果たします。
私たちは、価値創出によって明るい未来を創造するため、事業活動のあらゆる面において、
「JX金属グループフィロソフィー」に基づき、次の規範に従って行動します。
JX金属グループフィロソフィーとして、Purpose(パーパス)とWay(ウェイ)を言
葉にしました。
Purpose(パーパス)とは、私たちの社会的役割・存在意義を意味します。これま
での100年あまり、そして次の100年においても不変なものとして、社会に付加
価値をもたらすという未来志向·前進感を表現しました。Way(ウェイ)とは、私た
ちの行動基準となる価値観を意味します。長い歴史の中で紡ぎ出された言葉を
ベースに表現しました。
価値をつくる。未来をつくる。
技術で、情熱で、創造力で。
Our Purpose
Our Way
積極進取 枠にはまらず、変化や失敗を恐れず、より良いものを追求する。
仕事本位 価値の創出を第一に考え、垣根を越えた自由闊達な議論で課題を解決する。
相互尊重 共に歩む仲間を尊重し、人と人の結びつきを大切にする。
共存共栄 持続可能な事業活動を通じて社会に貢献し、社会と共に発展する。
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
イントロダクション
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
2
理念体系 目次 編集方針 At a Glance
目次
イントロダクション
1・・・・・・・JX金属グループフィロソフィー、
JX金属グループ行動規範
3・・・・・・・編集方針
4・・・・・・・At a Glance
• 未来を支える製品群
• 事業紹介
• グローバルネットワーク
トップメッセージ
7・・・・・・・トップメッセージ
価値創造戦略
13・・・・・・・価値創造の軌跡
14・・・・・・・価値創造モデル
15・・・・・・・価値創造の源泉
17・・・・・・・担当役員メッセージ
21・・・・・・・セグメント別戦略
• 半導体材料セグメント
• 情報通信材料セグメント
• 技術·R&D戦略
• 基礎材料セグメント
サステナブル経営
35・・・・・・・サステナビリティ推進体制
37・・・・・・・資源循環×脱炭素
41・・・・・・・人的資本経営の推進
45・・・・・・・人権の尊重
47・・・・・・・ガバナンスの強化
• コーポレート・ガバナンス
• 役員一覧
• 社外取締役座談会
• リスクマネジメント
• 品質管理
• サプライチェーン・マネジメント
• コンプライアンス
会社概況
69・・・・・・・財務・非財務データ
70・・・・・・・会社概要/株主情報
インタラクティブ機能のご利用方法
Web版では、各ページ上部に設置しているメニューから各セクションに遷移することができます。また、各ページ右上に設置して
いるナビゲーションボタンで操作いただくことも可能です。
次のページへ
前のページへ
目次に戻る
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
イントロダクション
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
3
理念体系 目次 編集方針 At a Glance
報告対象期間
2024年4月1日~2025年3月31日
最新の状況をお伝えするため、一部報告対象期間以降の活動内容も
記載しています。
報告対象組織
JX金属株式会社および国内・海外の連結対象グループ会社
発行時期
2025年10月
参考にしたガイドライン
IFRS財団「国際統合報告フレームワーク」
経済産業省「価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス2.0」
将来の見通しに関する注記事項
当レポートに記載されている将来の業績に関する予想、計画、見通し
などは、現在入手可能な情報に基づき当社の経営者が合理的と判断し
たものです。実際の業績はさまざまな要因の変化により、記載されて
いる予想、計画、見通しとは大きく異なることがありえますことをご承
知ください。そのような要因としては、主要市場の経済状況および製品
需要の変動、為替相場の変動、国内外の各種規制並びに会計基準・慣
行の変更などが含まれます。
ストーリー性
統合報告書
有価証券報告書
IR決算説明会資料
決算短信 など
サステナビリティ
サイト
情報の網羅性
財務
非財務
編集方針
当社はこのたび、財務情報と非財務情報を総合的にまとめた
「統合報告書」を初めて発行しました。本書は当社グループのサス
テナビリティを重視した経営と成長戦略の進捗状況について、分
かりやすくご説明することを目的に作成している年次報告書で
す。顧客、株主・投資家、地域社会、従業員をはじめとするステー
クホルダーとのコミュニケーションツールと位置付け、価値創造ス
トーリーに加え、事業戦略や環境、人材、コーポレート・ガバナン
スに対する取り組みなどの情報を中心に構成しています。
サステナビリティサイト
https://www.jx-nmm.com/sustainability/
IR情報
https://www.jx-nmm.com/ir/
情報開示体系
当社グループは以下の媒体で財務および非財務情報を開示しています。
IR情報
最新のIRニュースをはじめ、各種IR関連資料をまとめて掲載しています。
サステナビリティサイト
当社グループのサステナビリティに関する取り組みや関連情報は、専
用の「サステナビリティサイト」にて網羅的に開示しています。統合報告
書とあわせてご覧いただくことで、当社の持続可能な価値創造に対す
る全体像をご理解いただけます。
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
イントロダクション
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
4
理念体系 目次 編集方針 At a Glance
=JX金属グループの製品
電気銅
SiCモジュール
硫化銅鉱
高周波対応圧延銅箔
酸化銅鉱
電気部品屑
故銅
電解銅箔
圧延銅箔
電磁波シールドフィルム
ユピノーグ
(高純度硫酸銅)
各種コネクタ
銅合金
CVD・ALD材料
タンタル・ニオブ
塩化物粉末
先端メモリ・
LSI
高純度銅
低抵抗銀
ボンディング
ワイヤ
HDD
無電解UBM
めっき加工
サービス
負熱膨張材
放熱用ペースト
電解銅箔
メタルカン用
シールドテープ
3D成形可能な
電磁波シールド
シート
五酸化ニオブ粉
カメラ
ミリ波レーダー・
LiDAR
InP基板
放射線分析機器
圧力センサ
磁気センサ
3Dプリンター
チタン系粉
負極集電体用圧延銅箔
タンタルコンデンサ
タンタル粉
InP基板
COF/COP
電磁波シールドテープ
Sn-Cu-PET
五酸化タンタル粉/五酸化ニオブ粉
先端パッケージ向け
銅表面処理剤
フレキシブル
プリント回路基板
半導体用
スパッタリングターゲット
磁性材用
スパッタリング
ターゲット
低α錫
(ソフトエラー対策)
ECU・
電子モジュール
光学調整用
スパッタリング
ターゲット
チタン銅箔
YAG
セラミックス
CdZnTe基板
五酸化タンタル粉/
五酸化ニオブ粉
光学調整用
スパッタリングターゲット
光学センサ
磁性材用
スパッタリング
ターゲット
銅粉
タンタル・ニオブ系
金属粉末
無電解UBM
めっき加工サービス
リチウムイオン電池
LLTO
(固定電解質)
光通信
金属表面処理剤
ディスプレイ
光学調整用
スパッタリングターゲット
透明導電膜/
半導体用
スパッタリングターゲット
ケーブル
SAWフィルタ
At a Glance [未来を支える製品群]
JX金属グループは、銅やレアメタル等に関する先端材料のグローバルプレイヤーとして、
さまざまな分野で半導体材料・情報通信材料を供給し、
社会の豊かさを根底から支え、発展に貢献していきます。
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
イントロダクション
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
5
理念体系 目次 編集方針 At a Glance
フ
ォ
ー
カ
ス
事
業
半
導
体
材
料
セ
グ
メ
ン
ト
基
礎
材
料
セ
グ
メ
ン
ト
情
報
通
信
材
料
セ
グ
メ
ン
ト
ベ
ー
ス
事
業
半導体や磁性材料向けのスパッタリングターゲットをはじ
め、AIサーバなどの最先端IT機器に用いられる製品をグ
ローバルに展開しています。主力製品である半導体用ス
パッタリングターゲットの世界シェアは約64%であり、その
原料となる高純度タンタル紛もグループ内で調達していま
す。また、次世代の収益の柱として、光通信用の受発光素
子材料であるInP(インジウムリン)や、赤外線センサ材料と
して用いられるCdZnTe(カドミウムジンクテルル)も高い
成長が期待されており、事業規模拡大に取り組んでいます。
当社グループで使用する原料として必
要な鉱物資源を安定的に確保するべく、
銅のみならず、タンタルやチタン等のレ
アメタル鉱山の開発検討を行っていま
す。2022年にはサステナブルカッパー·
ビジョンを策定し、銅精鉱とリサイクル原
料の双方を活用した安定供給と、CO2排
出削減、資源循環、責任ある調達を促進
します。化石燃料をほぼ使用しないグ
リーンハイブリッド製錬P.34参照の高
度化を進め、電気銅の高付加価値化を目
指し、マスバランス方式を用いた100%
リサイクル電気銅を上市しました。
主力製品である圧延銅箔に加えてAIサーバ向けのコネ
クタなどに使われるチタン銅、コルソン合金などの銅合金
を取り扱っています。圧延銅箔はスマートフォンやウェアラ
ブル端末、モビリティの分野で使用されるフレキシブル回
路基板(FPC)に用いられ、屈曲性や耐久性の優位性などか
ら約78%の世界シェアを誇っています。コネクタ向けのチ
タン銅などもAIサーバなどの情報化社会に欠かせない最
先端IT機器に無くてはならない金属材料として高い成長が
見込まれています。
当社は、半導体・情報通信分野向けの先端材料を供給するフォーカス事業を成長戦略コアと位置付けています。フォーカス事業には、半導体
材料と情報通信材料がありますが、いずれもグローバルシェアトップ製品を数多く保有しており、マーケットの成長とともに今後さらなる成長
が期待される分野です。
ベース事業においては、フォーカス事業への原料の安定供給、グリーンハイブリッド製錬の高度化に取り組んでいます。原料の安定供給の一
環として、2023年1月よりミブラ鉱山(ブラジル)におけるタンタル原料生産事業への参画も行っています。
高度な技術的差別化の実現により、グローバル優位性を持つ当社成長戦略のコア事業
銅、レアメタルのサプライチェーン強化を通じて、フォーカス事業の成長を支える
リサイクル原料比率24.6%
シェア約64%
※1
シェア約40%
※2
シェア約50%
※3
シェア約78%
※4
シェア約60%
※5
半導体用ターゲット
InP基板(化合物半導体)高純度タンタル粉
圧延銅箔
ミブラ鉱山(ブラジル)
リサイクル原料
電気銅
100%リサイクル
銅製品シリーズ
「Cu again
(シーユー アゲイン)」
P.39参照
チタン銅
従業員数(連結ベース)
10,939人
JX金属グループは、半導体材料セグメントと情報通信材料セグ
メントからなるフォーカス事業を成長戦略のコアとして位置付け、
基礎材料セグメントからなるベース事業は、最適規模の事業体制
を追求しつつ、銅やレアメタル等の安定供給を通じてフォーカス
事業を支えています。
※1 富士経済「2024年 半導体材料市場の現状と将来展望」(2023年実績、Al系を除く半導体
用ターゲット市場における当社のシェア、販売金額ベース)
※2 当社推定
※3 当社推定(スパッタリングターゲット向け含む)
※4 富士キメラ総研 「2024 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」(2023年実績、FPC
向けのみ、出荷数量ベース)
※5 当社推定
※ 計との差は共通費等(売上
△47億、利益△138億)
At a Glance [事業紹介]
2040年までに
50%を目指す
❹267億円
❹267億円
❺251億円
❺251億円
❻745億円
❻745億円
営業利益
営業利益
❶1,480億円
❶1,480億円
売上高
売上高
❷2,651億円
❷2,651億円
❸3,065億円
❸3,065億円
■半導体材料セグメント
■情報通信材料セグメント
■基礎材料セグメント
❶
❷
❸
❹
❺
❻
売上高
7,149億円
営業利益
1,125億円
2025年3月期
JX金属のリサイクル銅
https://www.jx-nmm.com/products/cu_again/index.html
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
イントロダクション
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
6
理念体系 目次 編集方針 At a Glance
TANIOBIS Smelting GmbH & Co. KG ●
TANIOBIS USA LLC ●
eCycle Solutions Inc. ★
JX Nippon Mining & Metals
Exploration Peru S.A.C. ★
エスコンディーダ銅鉱山
JX Metals Korea Co., Ltd. ●
台湾日鉱金属股份有限公司 ●◆★
Toho Titanium America Co., Ltd. ◆
TATSUTA USA, Inc. ◆
JX Metals Philippines, Inc. ◆
Nippon Mining of Australia Pty. Ltd. ★
JX金属(上海)企業管理有限公司 ●◆
上海日鉱金属有限公司 ●◆
日鉱金属(蘇州)有限公司 ◆
上海拓自達商貿有限公司 ◆
上海拓自達商貿有限公司 蘇州テクニカルセンター ◆
常州拓自達恰依納電線有限公司 ◆
ヨハネスブルグ事務所★
カセロネス銅鉱山
ミブラ鉱山
ロス・ペランブレス銅鉱山
チリ事務所 ★
JX Nippon Mining & Metals Chile SpA ★
JX Nippon Mining & Metals Exploration Chile Limitada ★
JX金属製品(東莞)有限公司 ◆
日鉱商事(香港)有限公司 ●◆
深圳日鉱商貿有限公司 ●◆
TANIOBIS Co., Ltd. ●
Materials Service Complex (Thailand) Co., Ltd. ◆
Materials Service Complex Malaysia Sdn. Bhd. ●◆
TATSUTA ELECTRONIC MATERIALS MALAYSIA SDN. BHD. ◆
JX Metals Singapore Pte. Ltd. ●
●半導体材料セグメント
◆情報通信材料セグメント
★基礎材料セグメント
Toho Titanium Europe Co., Ltd. ◆
Nippon LP Resources UK Ltd. ★
JX Advanced Metals Europe GmbH ●
フランクフルト事務所 ●◆★
JX Metals Circular Solutions Europe GmbH ★
Advanced Metal Industries Cluster and
Toho Titanium Metal Company Limited ◆
TANIOBIS GmbH ●
Materials Service Complex Vietnam Co., Ltd. ●◆
MATERIALS SERVICE COMPLEX INDIA PRIVATE LIMITED●◆
JX Advanced Metals USA, Inc. ●
磯原工場 ●
倉見工場 ◆
日立銅箔工場 ◆
東京電解(株) ●
タニオビス・ジャパン(株)水戸工場 ●
フルウチ化学(株)筑波工場 ●
JX金属コイルセンター(株)倉見事業所 ◆
JX金属コイルセンター(株)館林事業所 ◆
JX金属コイルセンター(株)那須事業所 ◆
タツタ電線(株)本社・大阪工場 ◆
タツタ電線(株)タツタテクニカルセンター ◆
タツタ電線(株)京都工場 ◆
タツタ電線(株)仙台工場 ◆
東邦チタニウム(株)茅ヶ崎工場 ◆
東邦チタニウム(株)日立工場 ◆
東邦チタニウム(株)八幡工場 ◆
東邦チタニウム(株)若松工場 ◆
東邦チタニウム(株)黒部工場 ◆
(株)大阪合金工業所 ◆
一関製箔(株)◆
JX金属製錬(株)佐賀関製錬所 ★
JX金属製錬(株)日立工場 ★
日本鋳銅(株)佐賀関工場 ★
JX金属製錬ロジテック(株) ★
JX金属髙商(株)白河工場 ★
JX金属商事(株)高槻工場 ★
JX金属環境(株) ★
JX金属苫小牧ケミカル(株) ★
JX金属三日市リサイクル(株) ★
JX金属サーキュラーソリューションズ敦賀(株) ★
春日鉱山(株) ★
JX金属グループは、世界各地に拠点を展開しています。
緊密な情報共有と連携強化により、お客様のニーズにお応えします。
国内製造拠点
海外事業拠点
At a Glance [グローバルネットワーク]
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
7
トップメッセージ
イントロダクション
ステークホルダーの皆様と
ともに成長する「未来」を
実現してまいります
JX金属株式会社
代表取締役社長
林 陽一
トップメッセージ
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
8
トップメッセージ
イントロダクション
株式上場のご挨拶
当社は2025年3月19日、東京証券取引所プライム市場へ上場いたしました。
これもひとえに、ステークホルダーの皆様のご支援・ご協力の賜物であり、心より
感謝申し上げます。
JX金属のルーツは、創業者・久原房之助が1905年に日立鉱山を開業したこと
に始まります。久原は開業当初から機械化・近代化を推進し、わずか数年で日立鉱
山を日本有数の銅山へと育て上げ、日立製作所などを傘下に持つ日産コンツェル
ンの源流を築きました。以来120年にわたり、幾度もの挑戦と変化を繰り返しなが
ら、今日にいたるまで、事業を進化させてまいりました。現在は、銅をはじめとする
主要なベースメタルに加え、貴金属やレアメタルなどに関する先端材料のグロー
バルプレイヤーとして、資源の確保からリサイクルまでの一貫したサプライチェー
ンのもと事業を展開しています。
2019年6月には、20年先の未来を見据え、「JX金属グループ2040年長期ビ
ジョン」を策定(2023年5月に一部改定)しました。当ビジョンでは、「『装置産業型
企業』から『技術立脚型企業』への転身により、激化する国際競争の中にあっても高
収益体質を実現、半導体材料/情報通信材料のグローバルリーダーとして、持続
可能な社会の発展に貢献する」ことを基本方針として掲げました。今後も当ビジョ
ンのもと、ステークホルダーの皆様からのご期待にお応えするべく、企業価値の向
上に向けて邁進してまいります。引き続き変わらぬご支援を賜りますようお願い申
し上げます。
IPOにおける投資家との対話から得られたもの
当社は2023年5月に上場準備を開始することを発表し、本格的に準備を進めて
きました。今回のIPO(新規株式公開)にあたっては、資源・製錬リサイクルを中心
とする「装置産業型企業」から半導体・情報通信材料事業を中心とする「技術立脚型
企業」への転身を着実に進めてきたことが、市場からの一定の評価につながったと
考えています。一方で、グローバルオファリングを通じた投資家の皆様との対話で
は、これまでENEOSホールディングスの傘下にあったこともあり、JX金属という
会社について、あるいは私たちのビジネスモデルについて、十分に認知されてい
ないと感じる場面もありました。
当社は、上場準備開始前から事業ポートフォリオの見直しを進め、先端材料を扱
う半導体・情報通信材料セグメントからなる「フォーカス事業」を成長戦略のコアと
し、資源・製錬リサイクルを担う基礎材料セグメントからなる「ベース事業」を原材
料の安定供給を通じてフォーカス事業を支える基盤として位置付けています。
フォーカス事業は、技術による差別化でグローバル競争を勝ち抜き、市場成長以
上の利益成長を目指していますが、その実現には、強みを持つ製品をさらに伸ばす
とともに、新しい製品を次々と創出していくことが必要となります。その過程では
非常に多くの新規事業創出に向けた施策が必要であり、相当な試行錯誤に耐えら
れる体制こそが不可欠です。そういった意味で、ベース事業が材料を安定的に供給
し、成長を支えるという役割は極めて重要であると考えています。
IPO前における投資家の皆様との対話では「フォーカス事業に集中すべきではな
いか」とのご意見をいただくこともありました。しかしながら、地政学リスクが高ま
る現在、当社の半導体材料に不可欠な貴金属·レアメタルの安定的な調達は、事業
継続の根幹をなす重要課題です。サプライチェーンの強靭化という観点から、従来
のリサイクル原料による回収強化に加え、レアメタル鉱山開発の重要性も高まって
います。
一方で「とはいえ、ベース事業の規模が大きすぎるのではないか」とのご指摘も
ありました。当社としても、銅の生産能力がフォーカス事業の需要を大きく上回っ
ている点を課題と認識しており、これまでにカセロネス銅鉱山の権益売却や、銅製
錬事業子会社であるパンパシフィック·カッパー株式会社の株式売却などを通じて、
アセットライト化を着実に進めてまいりました。
このような対話を通じて、投資家の皆様のシビアなスピード感というものを肌で
感じました。その中で、事業ポートフォリオ改革の実践をはじめ、フォーカス·ベー
ス両事業のシナジーについて迅速にお示しできたことは、当社にとって大きな自信
につながりましたし、投資家の皆様の信頼を得ることにもつながったのではないか
と考えています。
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
9
トップメッセージ
イントロダクション
今後、半導体材料/情報通信材料のグローバルリーダーとしてのプレゼンスを
より高めていくにあたり、どのような成長曲線を描いていくのか、具体的にどの事
業を成長させていくのかを明確に示すことが重要だと考えています。たとえマルチ
プルが一定でも事業が成長すれば、企業価値ひいては株価の上昇につながり、さ
らにポートフォリオ変革が加わればマルチプル倍率も上がり、更なる企業価値、株
価の向上につながるものと思います。米中対立、ロシアによるウクライナ侵攻、中
東情勢の不安定化など地政学リスクの高まりは予断を許さない状況ですが、当社
の強みであるフォーカス事業とベース事業の両輪を軸に、事業ポートフォリオの変
革の姿をしっかりとお伝えし、ステークホルダーの皆様との対話を重ねながら、ス
ピード感をもって意思決定をしてまいります。
変わらぬ想いの具体化、新理念体系の策定
今回のIPOを通じて、当社のビジネスモデルに対する理解を深めていただくこと
や、マーケットからの評価を高めることと同時に、従業員一人一人が自身の仕事や
会社に誇りを持ち、エンゲージメントを高めることの重要性を改めて認識しました。
これまでにもテレビCMの出稿やプロスポーツクラブとのスポンサー契約など、積
極的なブランディング施策を展開してきましたが、それらに加えて上場決定が大き
く報道にも取り上げられたことで、「ママ・パパの会社ってすごいんだね」とご家族
に言ってもらえたという従業員からの声も届きました。こうした会社に対するポジ
ティブな評価や誇りといったものを全社で共有し、一丸となって長期ビジョンの達
成に向けて取り組んでいくことの必要性を強く感じています。
そして、上場を機に、創業以来120年の歴史の中で培われ、脈々と受け継がれ
てきた当社グループの考え方や姿勢、精神を改めて言語化し、当社グループのあ
らゆる活動の拠り所とすべく、2025年9月にOur Purpose「価値をつくる。未来
をつくる。技術で、情熱で、創造力で。」を中核とするJX金属グループフィロソフィー
を策定·公表しました。
創業当時、日立鉱山では銅の製錬に伴って発生する亜硫酸ガスにより煙害問題
が深刻化しました。創業者·久原房之助はその解決策として、当時としては世界一
高い大煙突建設を断行し、地域との共存共栄を実現しました。これは技術的な裏付
けは当然として、それ以上に「変化や失敗を恐れず、垣根を越えた議論や人の和を
通じ、持続可能な形で社会と共に発展する」という事業や社会に対する強い責任や
使命といった確固たる信念があり、胆力をもって経営判断をしてきたということの
表れだと思っています。日立鉱山の大煙突は、社会における私たちの存在意義を
象徴する原点といえる存在であり、その後も当社は、銅をはじめとして、電子デバ
イスを支える先端材料、資源循環を実現するリサイクルなど、変化し続ける社会の
ニーズに応じて果敢に自らを変革し、常に時代ごとの「より良い未来」につながる「価
値」を生み出してまいりました。
本フィロソフィーには、世界がますます不確実性や複雑性を増していく中にあっ
ても、当社グループはこれからも自由な発想で価値創出を追求し、人々のくらしを
より良くしていくという思いを込めました。
当社は長期ビジョンに定めたとおり、半導体材料・情報通信材料を中心とする先
端材料事業への注力を進めています。この事業ポートフォリオ変革を完遂すること
によって、困難な時代に立ち向かい、大煙突の時と同じように未来を切り拓こうとし
ています。創業以来の“変わらぬ想い”を改めてグループ全員で共有し、一人一人
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
10
トップメッセージ
イントロダクション
が自らの行動に落とし込むことで、このJX金属グループフィロソフィーが長期ビジョ
ン達成に向けた推進力になるものと期待しています。
私たちは変わらぬ想いのもと、技術、情熱、創造力を発揮し、「新しい価値=未
来をつくる会社」で在り続けたいと考えています。そして、従業員一人一人が「会社
は自分のもので、会社を変えるのは自分だ」というオーナーシップ意識を持って、次
なる変革や未来づくりに一丸となって向かっていきたいと思います。
長期ビジョン実現に向けた中長期事業目標の進捗
当社は2024年5月、足元の取り組みおよび事業環境を踏まえ、2040年長期ビ
ジョンの実現に向けた「中長期事業目標」を策定しました。2028年3月期をターゲッ
トとする目標達成に向けて、ここまでは概ね順調に進んでいますが、米国関税政策
を端緒とする外部環境の変化はますます激しく、先行き不透明な状況が続いてい
ます。こうした中で、市場の変化に柔軟に対応しながら、常にベストオーナーの視
点で資源配分を行っていく必要があると考えています。
中長期事業目標の達成に向けたキャピタルアロケーションの注力ポイントは大き
く分けて2つあります。
1つめは、フォーカス事業をしっかりと成長軌道に乗せることです。半導体材料と
情報通信材料への成長投資を継続していくことに関しては、需要の下振れリスクに
ついて認識しつつも、当社の競争優位性である先端材料の技術力を発揮して、ビ
ジネスとして価値を生むことが重要です。半導体用スパッタリングターゲットや圧
延銅箔といった当社の強みである製品については、設備投資をしながらボリューム
を増やしていき、しっかりと今の地位を堅持しながら、その上で、次世代の収益の
柱となる製品を育てていかなくてはならないと考えています。例えば、生成AIや
データセンター市場では、光通信に用いられる結晶材料のInP(インジウムリン)が
昨年から1.5倍伸びており、今後も20 ~30%伸びていくと予想されます。そのほ
JX金属グループ2040年長期ビジョン
「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身により、
激化する国際競争の中にあっても高収益体質を実現、
半導体材料/情報通信材料のグローバルリーダーとして、持続可能な社会の実現に貢献する
目指すポートフォリオ
「フォーカス事業」を成長戦略のコアとして位置付け
フォーカス事業の成長を支える「ベース事業」は事業規模にとらわれず最適な体制を構築する
半導体材料/情報通信材料に不可欠な銅およびレアメタルを中心ドメインと位置付ける
【成長】 フォーカス事業
半導体材料セグメント 情報通信材料セグメント
技術による差別化によりグローバル競争で優位に立ち、
市場成長以上の利益成長を図る
少量多品種かつ高利益率の製品/技術ラインナップを常
時揃える体制を構築することにより、収益規模の大幅な拡
大を図り、利益の供給源とする
【基盤】 ベース事業
基礎材料セグメント
フォーカス事業への原料(銅・レアメタル)の安定調達を担
うと共に必要なリソースを確保・供給する
先端材料に必要な基礎材料をサステナブルな体制で供給
し、ESG課題の解決に貢献
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
11
トップメッセージ
イントロダクション
か、AIサーバ向けHDDに使用される磁性材用スパッタリングターゲット、高速伝
送用コネクタ材料であるチタン銅、電力の安定供給が求められるキャパシタ材料と
してのタンタル粉などの高品質な材料の需要が拡大しています。さらには、次世代
半導体の配線材料として使用されるCVD·ALD用材料も既に量産化を開始してお
り、大きな成長が見込まれています。こうした社会を支える先端材料の開発·供給
を通じて、持続的な成長を目指していきます。
2つめは、ベース事業の強靭化です。冒頭に申し上げた通り、ベース事業は当社
ビジネスのサプライチェーンにおいて重要な役割を担っているものの、事業環境
が一層厳しくなる中で、現状維持では2040年まで生き残ることは難しく、より高
い付加価値を生み出していく必要があると考えています。その一環として、レアメ
タル鉱山への新規投資や、銅製錬におけるリサイクルの拡大を通じたレアメタル・
貴金属の回収を促進し、価値の最大化を図っていきます。また、こうした取り組み
はサーキュラーエコノミー(循環型経済)の形成にもつながるものですから、当社だ
けでなく社会全体にとっても価値があるものだと考えています。そのためには、外
部組織との連携もこれまで以上に強化していく必要があるでしょう。
いずれにしても、現在の事業ポートフォリオのままで2040年を迎えられるとは
考えていません。生成AI、IoT社会の発展を、先端材料のグローバルリーダーを
目指すうえでの大きな好機と捉え、スピード感をもって事業構造を変革し、チャン
スをつかみ取りにいく姿勢が重要です。20年先もしっかりと価値を提供し続ける組
織・事業体であるために、スピード感をもって進化を遂げることが、経営トップであ
る私に課せられた使命であると認識しています。
サステナビリティ経営とガバナンス強化
2040年長期ビジョンの実現に向けて、当社では優先的に取り組むべき6つの重
要課題(マテリアリティ)を特定しており、各マテリアリティにKPIを設定し、サステ
2023年3月期実績
2024年3月期実績
2025年3月期実績
2028年3月期目標※1
営業利益
連結
729億円
862億円
1,125 億円
CAGR10% ~15%
(2024年3月期-2028年3月期)
フォーカス事業
557億円
273億円
518億円
CAGR35% ~40%
(2024年3月期-2028年3月期)
営業利益率
連結
4.5%
5.7%
15.7%
12% ~ 17%
フォーカス事業
15.0%
8.8%
12.5%
15% ~ 20%
半導体材料セグメント
23.2%
21.4%
18.0%
25% ~ 30%
情報通信材料セグメント
9.6%
0.5%
9.5%
8% ~ 13%
事業別利益構成比
フォーカス事業※2
66%
26%
41%
67%以上
半導体材料セグメント※2
40%
25%
21%
45%以上
ROE
7.7%
18.3%
11.0%
10%以上
Net Debt/EBITDA※3
4.0倍
2.6倍
1.6 倍
1.5倍未満
中長期の事業目標
※1 目標値の前提として、為替は2025年3月期140円/ドル・2026年3月期以降135円/ドル、銅価は2025年3月期以降380¢/lbとしています。
※2 事業共通費用を除いたフォーカス事業(半導体材料セグメント、情報通信材料セグメント)およびベース事業(基礎材料セグメント)の営業利益を基に算出しています。フォーカス事業の営業利益は半導体材料セグメントと情報通信材料セグメントの営業利益
の単純合算値です。
※3 Net Debt(有利子負債-現預金(ENEOSグループ金融短期貸付金含む))÷ EBITDA(営業利益+減価償却費)により算出しています。
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
12
トップメッセージ
イントロダクション
ナビリティ推進会議にて達成度合いを測定・評価しながら運用しています。
当社グループは、今後到来するデータ社会やIoT・AI社会を支える製品・技術を
いち早く社会に提供し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しており、「く
らしを支える先端材料の提供」を重要課題の一つとしています。
その上で「地球環境保全への貢献」「地域コミュニティとの共存共栄」という項目
は、当社の創業以来の原点とも言えるテーマであり、当社のビジネスに最も関係の
深いものとして、長期的な成長を目指す上で極めて重要な意味を持っています。
「魅力ある職場の実現」についても、技術立脚型企業への転身を図り、企業価値
の最大化を実現していくためには、「人」の力によるイノベーションが不可欠である
ことから、重要な課題の一つと位置付けています。従業員一人一人がスキルを高
めていくことも大切ですが、「主体的に考え、革新をリードする勇気を持った人」を
どのように育てていくかが何より重要であると考えています。そのために、企業風
土としても挑戦を「ほめる」文化を定着させ、成果を正当に評価できる仕組みを構築
し、心理的安全性の高い職場づくりを進めていきます。
また、近年ではサプライチェーンにおける人権侵害の問題がしばしば取り沙汰さ
れています。グローバルに資源/材料を扱う会社としてサプライチェーンにおける
人権リスクには真摯に向き合っていますが、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&
インクルージョン)を含めた、より広い意味で人権に対する意識を高めながら、これ
まで以上に身を引き締め、「人権の尊重」を推進していきたいと考えています。
「ガバナンスの強化」については、ENEOSグループからの独立を見据え、早い段
階から社外取締役を選任し、段階的に時間をかけて体制整備を進めてきました。中
でも役員報酬に関しては、私たちの覚悟と責任を示す水準として、業績連動比率を
全体の6割とし、さらに長期業績連動比率をその6割に設定、全体に占める比率を
36%としました。また、非財務要素も評価に組み込み、従業員の安全やエンゲージ
メント向上といった視点も重視しています。このほか、社長という立場になって一層
強く感じているのが、リスクマネジメントの重要性です。当社はしばらくENEOSグ
ループの傘下にあり、非上場でもあったため、リスクマネジメントのレベルは決して
十分とは言えませんでした。上場を果たした今、求められる基準に見合った体制へ
と引き上げることが必要であり、この取り組みがマテリアリティの実践にも直結す
ると考えています。
ステークホルダーの皆様へ
当社の事業は、株主・投資家の皆様をはじめ、お客様、取引先、従業員、地域社
会など、多くのステークホルダーの皆様に支えられて成り立っています。私たちは、
こうした皆様と共に成長し続ける企業でありたいと考えています。
投資家の皆様から得られる知見や、お客様から寄せられるご意見、地域の方々か
ら得られる情報など、多様な声を真摯に受け止め、吸収しながら、それらを糧に一
体となって成長していきたいと考えています。経済的な成功はもちろん重要です
が、それだけを追い求めるのではなく、ステークホルダーの皆様との信頼関係を
しっかりと意識しながら愛される企業になりたいと思っています。
私自身、当社が日本にとって経済的にも社会的にも必要とされる企業でありたい
と強く願っています。そして、日本にとって重要であればグローバル市場でも価値
ある存在になれると信じています。このような未来を実現するためにも、当社の想
いや価値観、ビジョンを正しくお伝えし、ステークホルダーの皆様にご理解と信頼
をいただくことが重要であると考えています。
これからも、私たちJX金属はともに成長する「未来」をステークホルダーの皆様
と共有しながら、その実現に向けて真摯に取り組んでまいります。今後とも、変わ
らぬご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
JX金属グループ6つのマテリアリティ
地球環境保全への貢献
くらしを支える先端材料の提供
魅力ある職場の実現
人権の尊重
地域コミュニティとの共存共栄
ガバナンスの強化
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
13
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
1905年
創業
1929年
日本鉱業
設立
1992年
日鉱金属の独立
日本鉱業の金属・
金属加工事業が
分離独立
2016年
JX金属に
社名変更
2019年
長期ビジョン
策定
2024年
タツタ電線を
完全子会社化
2025年3月期
売上高 7,149億円
従業員数 10,939人
(2025年3月31日現在)
※連結ベース
2040年長期ビジョン
半導体材料/
情報通信材料の
グローバルリーダーとして
持続可能な社会の
実現に貢献
1905年
日立鉱山の開業
創業者・久原房之助が日立鉱山(茨城県) を開業
し、資源開発事業および金属製 錬事業を開始。
1985年
磯原工場開設
新たな主力拠点として、磯原工場(茨城県)を開
設し、各種エレクトロニクス材料の開発・製造を
拡張。
1916年
佐賀関製錬所操業開始
多角経営を進める中、事業基盤である鉱山・製
錬部門のさらなる拡充を図るため、国内屈指の
規模を持つ佐賀関製錬所(大分県)を建設。
2018年
H.C. Starck Tantalum & Niobium GmbH
(現TANIOBIS GmbH)の株式取得
電子部品やデバイスの飛躍的な需要増加が見込
まれる中、ドイツの金属粉メーカー、H.C. Starck
Tantalum & Niobium GmbH(現TANIOBIS GmbH)
の株式を取得。
1964年
倉見工場開設
倉見工場(神奈川県)の開設に伴い、金属加工
事業へ本格的に進出。最新鋭の圧延機を導入
し、りん青銅をはじめとする伸銅品などを生産。
1914年 日立大煙突建設
日立鉱山で急速に発展した事業は、周辺地域に深刻な煙
害問題をもたらす。その煙害対策として、当時世界一高
い155.7メートルの大煙突を建設。翌年3月より稼働。
2022年 先端材料分野の拡大に向けた
大型投資
先端材料の需要拡大に対応するため、茨城県ひたち
なか市、米国アリゾナ州メサ市に新工場の建設に向け
た大規模用地を取得。
2025年 東京証券取引所プライム市場に
株式上場
専門性が高く迅速な意思決定を可能とする経営体制の確
立および事業特性に応じた最適な資本構成を実現し、企業
価値向上を目指す。
1978年 リサイクル炉新設
日立製錬所に製錬技術を活用したリサイクル炉を新設し、
環境リサイクル事業を開始。めっきスラッジなどの産業廃
棄物から有価金属を回収する事業を展開。
JX金属グループは、2019年に2040年長期ビジョンを策定し、
「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」
へと転身し、半導体材料/情報通信材料のグローバルリーダーとして、持続可能な社会の実現に貢献す
ることを基本方針に掲げました。高収益・高成長のフォーカス事業の成長により足元の営業利益1,000
億円レベルから、2040年には2,500億円への到達を目標としています。
サステナブル経営
価値創造戦略
JX金属グループは、非鉄金属と材料を安定供給することが社会的使命であると認識し、
1905年の創業以来、事業環境の変化に対応しながら新たな価値の創造に取り組んできました。
材料における創造と革新を通じて、持続可能な経済・社会の発展に貢献すべく挑戦を続けています。
価値創造戦略
価値創造の軌跡
91
355
2019年度
446億円
※
2,000
500
2040年度
(目標)
2,500億円
※ ENEOSホールディングス金
属セグメントの数値をもとに
当社作成
518
745
2024年度
1,125億円
※
※ 計との差は共通費等△138億
■フォーカス事業 ■ベース事業
営業利益の推移
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
14
価値創造戦略
イントロダクション
JX金属グループフィロソフィー
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
フォーカス事業
半導体材料セグメント
情報通信材料セグメント
ベース事業
基礎材料セグメント
※事業系統図については、P.21 をご参照ください。
創出する社会的·環境的価値
資源循環と脱炭素の両立
高品質製品の安定的かつ効率的な供給を通じたより
豊かな社会の実現
従業員への持続的な還元
サプライチェーン全体を通じた公平公正な取引の実現
各拠点における地域との共存共栄
6つのマテリアリティ
⃝地球環境保全への貢献
⃝くらしを支える先端材料の提供
⃝魅力ある職場の実現
⃝人権の尊重
⃝地域コミュニティとの共存共栄
⃝ガバナンスの強化
長期ビジョン
技術立脚型企業への転身により、高収益体
質を実現
半導体材料 / 情報通信材料のグローバル
リーダーとして、持続可能な社会の実現に
貢献
創出する経済的価値
市場成長以上の利益成長
フォーカス事業を中心とする成長投資
株主に対する適切な利益還元
持続的な企業価値の向上
Input
Business Model
Outcome
貢献する領域
経済的・社会的・環境的価値を創出し、
持続可能な社会の実現に貢献
財務資本
連結総資産額
1,283,002百万円
純資産額
711,754百万円
自己資本比率
55.5%
製造資本
事業拠点数(主な報告対象会社)
66拠点
設備投資額
63,809百万円
知的資本
特許取得件数
5,858件
研究開発費
17,757百万円
うち、先端材料・新規事業ほか
16,445百万円
人的資本
従業員数(連結ベース)
10,939人
年間教育時間/人
30時間
社会・関係資本
顧客企業との強固な関係性
資源循環のためのグローバルな集荷ネットワーク
サプライチェーンの透明性
拠点周辺地域での共存共栄
自然資本
バージン原料投入量※1
1,574kt
再生資源原料投入量※1
224kt
エネルギー使用量
7,736TJ
水利用量
54.6百万m3
※1 事業運営上の密接性を勘案し、2024年3月に当社の連結子会社から
持分法適用会社へ変更となったパンパシフィック·カッパー(株)の所有
分を含んでいます。
Business Activities
Output
JX金属グループは、自社が解決すべき社会課題を認識し、
価値創造モデルを継続的に推進することで持続的な成長と社会課題の解決を目指しています。
価値創造モデル
半導体用スパッタリングターゲット
FPC(フレキシブルプリント基板)用圧延銅箔
高純度タンタル粉
インジウムリン化合物半導体基板
世界シェア
(2024年現在)
約78%
世界シェア
(2024年現在)
世界シェア
(2024年現在、当社推定)
スマートフォン・データセンター
CPU・GPU・データセンター
データセンター・光通信ネットワーク
スマートフォン·モビリティ·
ウェアラブル
約50%
世界シェア
(2024年現在、当社推定)
多種多様な基礎材料
電気銅中の
リサイクル
原料比率
24.6
%
貴金属
電気銅※1
基板屑
約64%
価値をつくる。未来をつくる。
技術で、情熱で、創造力で。
Our Purpose
積極進取、仕事本位、相互尊重、共存共栄
Our Way
約40%
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
15
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
当社は、銅をはじめとする主要なベースメタルに加え、レアメ
タルや貴金属など多様な材料を取り扱い、資源開発から製錬、電
子材料の製造・販売、リサイクルまでを一貫して担う体制を築い
てきました。この長年の事業活動を支えているのが、創業以来蓄
積してきた多様な要素技術(コア技術)と、それを活かす専門性の
高い人材です。
技術立脚型企業への転身と企業価値の最大化を実現するた
め、当社は「人」の力によるイノベーションを経営の中核に据えて
います。意欲と能力を最大限に引き出すことを重視し、人材への
継続的な投資を進めており、こうした人的資本の蓄積が、当社の
強固なR&D体制の基盤となっています。また、顧客企業との強
固な関係性のもと、密な対話を通じて早期に把握されたニーズに
基づく材料提案を行うことで、複雑化する社会課題や市場ニーズ
に対して、より的確かつ迅速に応えることが可能となっています。
顧客企業との強固な関係性について
P.21➡セグメント別戦略
コア技術について
P.16➡コア技術の組み合わせによる製品・事業展開
R&D体制について
P.31➡JX金属の技術・R&D戦略
研究開発
https://www.jx-nmm.com/rd/
人的資本について
P.41➡人的資本経営の推進
各強みの詳細(リンク集)
当社のコア技術
長期ビジョンの実現
(持続可能な経済・社会の発展に貢献)
専門性の高い人的資本
顧客企業との強固な関係性
コア技術
R&D
次代の潮流に合致したグローバルニッチトップな
先端材料製品の提供
JX金属の強みは、「専門性の高い人的資本」を基盤とした、「コア技術」「R&D」、
そして「顧客企業との強固な関係性」です。これらが効果的に組み合わさって作用することで、
変化の激しい環境下においても、不断の価値創造を実現する原動力となっています。
価値創造の源泉
高純度化
表面制御
粉体制御
分離 抽出
精製
組成・
組織制御
分析 評価
解析
精密圧延
精密加工
薄膜材料
高純度化
表面制御
粉体制御
分離 抽出
精製
組成・
組織制御
分析 評価
解析
精密圧延
精密加工
タンタル・ニオブ
高純度化
表面制御
粉体制御
分離 抽出
精製
組成・
組織制御
分析 評価
解析
精密圧延
精密加工
機能材料
高純度化
表面制御
粉体制御
分離 抽出
精製
組成・
組織制御
分析 評価
解析
精密圧延
精密加工
金属・リサイクル
高純度化
表面制御
粉体制御
分離 抽出
精製
組成・
組織制御
分析 評価
解析
精密圧延
精密加工
資源
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
16
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
コア技術の組み合わせによる製品·事業展開
多様な材料の取り扱い
独自の精製・溶解技術を駆使し、金属中の不純物を極限まで除去しています。最先
端の電子部品に求められる純度まで安定的に高純度化することが可能で、業界最高
水準の品質を有した製品を提供しています。
高純度化
表面制御
研磨・エッチング・めっき・接合など多様な表面処理技術を活用し、材料の機能性を
最大限に引き出しています。求められる特性に応じた表面処理により、製品の性能
向上と新たな価値の創出を実現しています。
粉体制御
合金や酸化物など多様な粉体を製造し、粒径や分布を用途に応じて精密に制御して
います。3Dプリンターやスパッタリング用原料などに対応し、造粒や表面処理技術
により高機能な粉体材料を提供しています。
分離 抽出
精製
金属製錬の技術を活用したプロセスにより、リサイクル原料に含まれる銅·貴金属·
レアメタルなどの有価金属を効率的に回収することで持続可能な社会の実現に貢献
しています。
組成・
組織制御
金属・セラミックス・単結晶材料において、結晶構造や粒径を精密に制御しています。
独自の加工・熱処理技術を活用し、用途に応じた高機能材料を開発・提供することで、
先端分野で高い評価を得ています。
分析 評価
解析
最新の分析装置と高度な解析技術を駆使し、材料の特性を多角的に評価していま
す。お客様の使用環境を再現した評価を通じて、最終製品で求められる機能や品質
を確実に実現し、高性能材料の開発に貢献しています。
精密圧延
精密加工
当社の精密加工技術は、世界最薄の6μm銅箔の量産や先端半導体に適用可能な高
平坦度基板の製造を可能とし、顧客製品の不良率低減、安定動作に貢献しています。
当社は、銅をはじめとする主要なベースメタルに加え、レアメ
タルや貴金属など多様な金属元素を取り扱う体制を構築していま
す。こうした幅広い対応力が、次世代の半導体や電池、通信機器
など、先端分野で求められる高度な材料製造への柔軟な対応を
可能にしています。金属元素ごとに異なる特性や加工条件を理解
し、最適な技術を適用することで、複雑化・高度化するニーズに
応える製品を提供し続けています。
当社で製造している金属 当社が高純度化している金属
H
He
Li
Be
B
C
N
O
F
Ne
Na
Mg
Al
Si
P
S
Cl
Ar
K
Ca
Sc
Ti
V
Cr
Mn
Fe
Co
Ni
Cu
Zn
Ga
Ge
As
Se
Br
Kr
Rb
Sr
Y
Zr
Nb
Mo
Tc
Ru
Rh
Pd
Ag
Cd
In
Sn
Sb
Te
I
Xe
Cs
Ba
La※1
Hf
Ta
W
Re
Os
Ir
Pt
Au
Hg
Tl
Pb
Bi
Po
At
Rn
Fr
Ra
Ac※2
Rf
Db
Sg
Bh
Hs
Mt
Ds
Rg
Cn
Nh
Fl
Mc
Lv
Ts
Og
La
Ce
Pr
Nd
Pm
Sm
Eu
Gd
Tb
Dy
Ho
Er
Tm
Yb
Lu
Ac
Th
Pa
U
Np
Pu
Am
Cm
Bk
Cf
Es
Fm
Md
No
Lr
※1ランタノイド
※2アクチニウム系
スパッタリングターゲットの製造工程
Cu2+
+
-
電解精製
溶解
切断
鍛造
圧延
熱処理
ボンディング
加工
分析評価
半導体用スパッタリングターゲット
※粉末焼結法で製造する高融点金属のターゲットに活用
高純度化
表面制御
粉体制御※
分離 抽出
精製
組成・
組織制御
分析 評価
解析
精密圧延
精密加工
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
17
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
当社の変遷とサステナブル経営
当社は120年前の日本四大鉱山の一つである日立鉱山が出発
点です。日本の殖産興業の中、産業の礎を築き、銅をさまざまな
産業分野へ供給してきました。その後は産業の高度化の流れの
中で、業界リーダー企業として、上流から下流の加工まで事業領
域を拡大してきました。
そして現在、世界の政治·経済の不確実性が高まる中、改めて
長期スパンで未来を見据え、当社の存在意義を見直した時に、私
たちがやるべきことは、私たちにしかできないことを追求する、す
なわちオンリーワンの存在となることだと考えました。それは、私
たちにしかできない方法で社会に必要とされる価値を創出するこ
とであり、ビジネスの持続的な発展、サステナブル経営につなが
ることだと認識しています。
私は、企業利益は、当社が社会に創出した価値の評価、その結
果だと考えています。逆説的に言えば、十分な利益を生み出せな
いビジネスや製品は、社会への価値創出が限定的、もしくは我々
以外の競合が上手く価値創出を行っている可能性があります。当
社の持続可能性を考えると、社会への価値を生み出し、その評価
としての利益を従業員や会社の将来的な発展、株主等のステーク
ホルダーに適切に分配することが重要であり、この循環こそがサ
ステナブル経営だと考えています。
パーパスを起点とするサステナブル経営の推進
当社ではこれまで、2040年を見据えたありたい姿を「長期ビ
ジョン」として明示し、技術立脚型企業への転身と持続可能な社
会の実現への貢献を目指すと発信してきました。
この度、上場を機に、創業以来受け継がれてきた自分たちの存
在意義や通底する価値観を改めて言語化し、2025年9月に
「JX金属グループフィロソフィー」として制定しました。これらはい
ずれも私たちが行動する上での基盤であり、指針として同じ方向
を示しています。
また、長期ビジョンをはじめとした中長期の目標·ありたい姿の
実現に向けて経営上重要な課題を「マテリアリティ」として6テーマ
にまとめていますP.35参照。中でも、「くらしを支える先端材料
の提供」は、長期ビジョンで示した当社の在りたい姿そのもので
す。私たちは、半導体材料·情報通信材料のグローバルリーダー
として、先端材料で社会の発展と革新に貢献することを目指して
います。もちろん、人権の尊重や環境の保全などは普遍的な価
値のあるものとして、法令遵守に留まらず、今後も積極的に対応
していきます。これは、社員が働きたいと誇りに思える会社であ
るためにも必要なことだと考えます。
また、経営資本の適切な配分としては、財務資本では、半導体
材料·情報通信材料事業を中心とする成長投資を優先しつつ、財
務体質の改善とのバランスを取りながら、株主に適切に利益を還
元することを目指しますP.20参照。人的資本では、今年度新たに
策定した「人事ポリシー」に基づき、「人」の力を最大限引き出すべ
く、各種改善施策の展開を進めてまいりますP.41参照。
当社の使命は、「社会環境の変化をしっかりと認識し、自社にしかできない価値をつくりだし、社会の発展に貢献すること」であると思いま
す。私は、財務、サステナビリティ、人事等の担当役員として、2025年9月に制定した「JX金属グループフィロソフィー」を胸に、共通価値(企
業利益)の創出と、その適切な配分·再投資による永続的な企業の発展に向けた取り組みを推進してまいります。
執行役員
経営企画部·コーポレートコミュニケーション部·
財務部·総務部·法務部·人事部担当
川口 義之
担当役員メッセージ
社会的価値の創造を通じて、稼ぐ力の持続的な向上を追求します
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
18
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
長期ビジョンの達成に向けて
「2040年長期ビジョン」策定・事業構造改革へ着手
2019年度ポートフォリオ
現在
2024年度ポートフォリオ
「2040年長期ビジョン」達成
2040年度ポートフォリオ
投下資本が大きく、ボラティリティの高いベース事業が売上·利益の
大層を占める構造のなか、将来を見据え、技術による差別化が可能な
フォーカス事業を成長のコアを位置付け、ポートフォリオ変革の取り
組みを開始
ミブラ鉱山(タンタル)投資
カセロネス銅鉱山権益の
一部売却
製錬・リサイクル事業の高付加
価値化(三菱商事との協業)
eCycleの株式取得
(双日との協業)
ロス・ペランブレス
銅鉱山権益の一部売却
韓国の銅製錬JVの
LS-Nikko全持分売却
パンパシフィック・
カッパー株式の一部譲渡
カセロネス銅鉱山権益の
追加売却
Copi PJ(レアメタル・レアアース)
参入
2022年度
2023年度
2024年度
2025年度
ベース事業の最適な体制構築に向け、カセロネス銅鉱山およびパンパ
シフィック·カッパーの持分譲渡などの諸施策を着実に実行
高収益、高成長のフォーカス事業が成長を牽引し、2040年に営業利
益2,500億円への到達を目指す
長期ビジョンに沿ったフォーカス事業中心のポートフォリオに向けて、ベース事業の最適な体制を構築
当社は、2019年の長期ビジョン策定以降、フォーカス事業中心のポートフォリオに向けてベース事
業の最適な体制の構築を進めてきました。2022年度以降、鉱山権益をはじめ、韓国LS-Nikkoやパン
パシフィック・カッパーの持分譲渡を行い、ポートフォリオ変革を着実に実行してきました。他方で、フォー
カス事業のサプライチェーン強化に資するレアメタルの権益確保も行ってきており、着実に長期ビジョ
ン実現に向けて歩んでいると考えています。金属・リサイクル事業では、精鉱製錬の低い収益性・成長
性と、それに伴った低水準の資本効率といった課題に対して、製錬事業の強靭化を進めるべく、最適な
生産規模を追求し、収益性を高めるグリーンハイブリッド製錬の推進に取り組んでいます。
資産売却
サプライチェーン強化
高付加価値化
2,000億円
500億円
投下資本の推移※ 2019年度を100として指数化
0
40
80
120
160
20
60
100
140
2019
2024
(年度)0
25
50
75
100
2019
2024
(年度)
※ 投下資本=(資産−現預金−グループ貸付金−繰延税金資産)−(負債−有利子負債−繰延税金負債)。
■フォーカス事業 ■ベース事業
■フォーカス事業 ■ベース事業
※ 計との差は共通費等(売上△176億)
※ ENEOSホールディングス⾦属セグメントの数値をもとに当社作成
※ 計との差は共通費等(売上△47億、利益△138億)
2,410億円
7,810億円
91億円
355億円
売上⾼
1兆44億円
営業利益
446億円
4,131億円
3,065億円
518億円
745億円
売上⾼
7,149億円
営業利益
1,125億円
営業利益
2,500億円
約6割増
約4割減
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
19
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
2024年度の振り返り
フォーカス事業は、2024年度の市場環境が2022年度後半か
ら続いていた半導体・ICTマーケットの落ち込みから回復基調と
なり、サプライチェーン上における在庫調整が一巡しました。こ
のような市況の回復に加えて、旺盛な生成AI関連投資を背景と
し、とりわけ最先端向け半導体用ターゲットの販売が好調となりま
した。こうした半導体関連の増収に伴う増益に加え、2023年度
に市況の悪化を受け、収益性改善のため取り組んでいた機能材
料事業における構造改革の進展等により、前年度対比+90%と
大きく改善しています。
ベース事業については、技術立脚型企業への転身を目指した
ポートフォリオ改革の中で、1兆円規模の売上高のあった金属製
錬の原料・販売会社であるパンパシフィック・カッパーや、銅鉱山
会社のカセロネスを非連結化したことにより、前年対比減収となっ
た一方、為替円安・銅価上昇の影響等により、前年度並みの水準
となりました。
中長期事業目標に向けて
[2025年度の見通し]
米国関税影響も半導体用ターゲットのウエハベースを上回る成長確保
当社の主力製品である半導体用スパッタリングターゲットは、
先端半導体チップにおける配線層の増加に加え、GPU等の先端
半導体に搭載される高速メモリなどでの用途もあり、シリコンウ
エハ市場の成長を上回る成長をしています。2025年度の見通し
は、半導体材料、情報通信材料の好調な販売状況や為替、銅価
水準を踏まえ、また、2025年5月には不透明であった米国の関
税影響もある程度見えてきましたのでその影響額も見直すことに
より、営業利益は5月に公表した当初予想の950億円から、8月
には1,100億円に上方修正しました。
[2025年度以降の取り組み]
半導体用ターゲット以外のラインナップの早期拡充・拡大に向けて
半導体用ターゲット以外でも、データ保存量の増加を受けた
ハードディスクドライブ用途の磁性材用ターゲットやSSD向けの
CVD・ALD材料、サーバ間を結ぶ光回線からの情報を電気信号
に変換するために用いられるインジウムリン、情報処理量の増加
に伴う使用電力の増加に対応するためのキャパシタ向けタンタル
粉、高耐熱性が求められるコネクタ向けのチタン銅なども需要が
大きく伸びています。高い特性が求められる生成AIサーバや
データセンター向けの材料は当社の強みが一層活かせる領域で
あり、需要増加を見据えた拠点の新設・拡充、生産能力の拡大を
進めています。
直近年度の振り返りと中長期事業目標に向けた取り組み
営業利益の推移
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
(億円)
862
420
219
1,125
175
76
1,100
-185
-191
-54
-183
-39
営業利益
一過性
為替・銅価等
数量差
コスト差等
営業利益
一過性
為替・銅価等
数量差
(フォーカス)
数量差
(ベース)
コスト差等
営業利益
2024年3月期
2025年3月期
2026年3月期予想
(8月公表)
※2024年3月期から2026年3月期予想(2025年8月公表)
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
20
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
有利子負債削減
カセロネス銅鉱山の追加権益売却(19%)を実施したこと等により、2024年3月末から2025年3月末にかけて
のNet Debtを約830億円削減しました。必要な投資は実行しながら、営業キャッシュフロー2,154億円や、資産
売却(カセロネス一部権益等)620億円により、フリーキャッシュフローを創出しています。結果、Net Debt/
EBITDA倍率は1.6倍まで財務体質改善も進展しています。
株主還元
株主還元については、連結配当性向20%を基本とした上で、銅価が当社の想定対比で上昇した結果としてベー
ス事業の利益が上振れた場合には、その一部も株主還元に充当することを基本方針としています。足元の好調な
販売状況や為替、銅価水準を踏まえ、また、5月公表時には不透明であった米国の関税影響もある程度見えてきた
ため、その影響額も見直すことにより、5月公
表時の950億円から1,100億円に上方修正
し、これに伴い、配当予想につきましても、5
月公表時の一株あたり15円から18円に増
額しました。
財務戦略
財務方針
高い成長性を実現することは、当社の財務基盤の強化および株主還元の原資となる利
益拡大につながり、結果として株主利益の最大化に資するものと考えています。当社は、
キャピタルアロケーション方針として、半導体材料・情報通信材料事業を中心とする成長
投資を優先しつつ、財務体質の改善とのバランスを取りながら、株主に適切に利益を還
元することを目指してまいります。
中長期事業目標の進捗状況
2024年度の実績としては、目標に対して順調に進捗しています。なお、中長期事業目
標については、2024年5月時点の前提に基づいて策定したものであり、昨今の関税影
響などに伴う市場環境およびマクロ経済の動向により世界経済に大きな影響が及ぶと懸
念される場合には、目標数値については今後見直す可能性があります。
キャピタルアロケーション
2024年
3月期
2025年
3月期
2028年3月期目標※1
営業利益
[連結]
862億円
1,125億円
CAGR10%~15%
(2023-2027年度)
(YoY成長率)
30.5%
[フォーカス事業]
273億円
518億円
CAGR35%~40%
(2023-2027年度)
(YoY成長率)
89.7%
営業利益率
[連結]
5.7%
15.7%
12%~17%
[フォーカス事業]
8.8%
12.5%
15%~20%
[半導体材料セグメント]
21.4%
18.0%
25%~30%
[情報通信材料セグメント]
0.5%
9.5%
8%~13%
営業利益構成比率[フォーカス事業]※2
26%
41%
67%以上
[半導体材料セグメント]※2
25%
21%
45%以上
ROE
18.3%
11.0%
10%以上
Net Debt/EBITDA倍率※3
2.6倍
1.6倍
1.5倍未満
2025年3月期
営業キャッシュフロー
2,154
投資キャッシュフロー
▲221
資産売却(カセロネス一部権益等)
620
投融資等
▲841
フリーキャッシュフロー
1,933
財務キャッシュフロー
▲1,722
現金同等物の増減額
211
為替変動による影響等
5
2025年3月期
2026年3月期(予定)
5月公表時
8月公表
1株あたり配当金※2
18円※1
15円
18円
配当性向※2
24%
24%
24%
連結キャッシュフロー
配当の状況
中長期の事業目標
※1 2024年11月に実施した配当(850億円)は除く
※2 銅価上昇を反映
成長投資
投融資については2024年度実績で923億円となりました。
先端材料分野における将来にかけての旺盛な需要に対応すべく、
北米メサ新工場の立ち上げやひたちなか新工場の建設等を計画
通り実行中です。
2023年3月期
2024年3月期
2025年3月期
投融資
1,057
792
923
投融資実績
(億円)
(億円)
※1 目標値の前提として、為替は2025年3月期140円/ドル·2026年3月期以降135円/ドル、銅価は2025年3月期以降380¢
/lbとしています。
※2 事業共通費用を除いたフォーカス事業(半導体材料セグメント、情報通信材料セグメント)およびベース事業(基礎材料セグメン
ト)の営業利益を基に算出しています。フォーカス事業の営業利益は半導体材料セグメントと情報通信材料セグメントの営業利
益の単純合算値です。
※3 Net Debt(有利子負債-現預金(ENEOSグループ金融短期貸付金含む))÷ EBITDA(営業利益+減価償却費)により算出して
います。
※ ひたちなかにおける半導体用ターゲット増産対応投融資等を中心に、予定通り実行中
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
21
価値創造戦略
イントロダクション
セグメント
事業部・事業会社
主要製品
2025年3月期
薄膜材料事業部
半導体用スパッタリングター
ゲット、高純度金属、表面処理
剤、化合物半導体・結晶材料
タンタル・ニオブ事業部
タンタル・ニオブ金属粉末、タ
ンタル・ニオブ酸化物粉末、塩
化物・化合物
機能材料事業部
圧延銅箔、チタン銅、コルソン
合金
東邦チタニウム
超微粉ニッケル、高純度酸化チ
タン、触媒製品、スポンジチタ
ン、チタンインゴット
タツタ電線
電磁波シールドフィルム、導電
性ペースト、ボンディングワイ
ヤ、インフラ・産業機器用電線
資源事業部
銅精鉱、電気銅、モリブデン精
鉱、含金珪酸鉱、タンタル精鉱
金属・リサイクル事業部
電気銅、型銅、貴金属、硫酸
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
セグメント別戦略
半導体・情報通信分野向けの先端材料を供給するフォーカス事業を
成長戦略のコアと位置付け、そこに原材料を提供しサプライチェーンを
強化する役割をベース事業が担っています。
❹267億円
❹267億円
❺251億円
❺251億円
❻745億円
❻745億円
営業利益
営業利益
❶1,480億円
❶1,480億円
売上高
売上高
計1,125億円
計1,125億円
計7,149億円
計7,149億円
2025年3月期
2025年3月期
❷2,651億円
❷2,651億円
❸3,065億円
❸3,065億円
■半導体材料セグメント
■情報通信材料セグメント
■基礎材料セグメント
❶
❷
❸
❹
❺
❻
■機能材料
■東邦チタニウム、タツタ電線等
51%
49%
■資源
■金属・リサイクル
73%
27%
フ
ォ
ー
カ
ス
事
業
半
導
体
材
料
情
報
通
信
材
料
基
礎
材
料
ベ
ー
ス
事
業
顧
客
最終用途例
データセンター
スマートフォン
モビリティ
(xEV/ADAS)
ウェアラブル
■薄膜材料
■タンタル・ニオブ
100%
営業利益
営業利益
営業利益
※タンタル·ニオブは一過性損失の計上
を主因に営業損失
顧
客
ベース事業
フォーカス事業
最終用途例
基礎材料セグメント
チタン鉱石・スクラップ等の仕入
銅精鉱·
リサイクル原料等の
仕入
硫酸等
銅精鉱
リサイクル原料
電気銅・
貴金属等
半導体材料
セグメント
半導体用
スパッタリング
ターゲット向け
タンタル粉
半導体用
ターゲット等
高純度
タンタル粉等
薄膜材料
タンタル・
ニオブ事業
情報通信材料
セグメント
電気銅・
貴金属等
シールドフィルム、
導電性ペースト等
超微粉ニッケル、
触媒製品、
チタン展伸材
タングステン等の仕入
リサイクル原料等の仕入
タンタル鉱石等の仕入
タツタ電線
機能材料事業
FPC用
圧延銅箔等
東邦
チタニウム
金属・
リサイクル事業
商
社
・
メ
ー
カ
ー
・
鉱
山
等
※ 計との差は共通費等(売上△47億、利益△138億)
集荷・販売・
製造機能
資源事業
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
22
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
Topics
生成AI向け製品の拡大
生成AIサーバ向け需要の増加
生成AIの普及に伴い、データ伝送の高速化・大容量化が進展
することで、AIサーバやGPUの需要が今後ますます高まると予
想されます。こうした市場の拡大により、当社の半導体用スパッ
タリングターゲットをはじめ、InP基板、高純度タンタル粉、磁性
材用スパッタリングターゲットの需要も大きく伸びることが期待
されます。加えて、情報通信材料事業においても、AIサーバ向け
コネクタ用途としてのチタン銅の需要が急速に拡大しており、足
元の販売量も大幅に増加しています。
AIサーバ出荷台数の推移
当社製品用途(データセンター)
4
(百万台)
実績
予想
3
2
1
0
2023
2024
2025
2029
CAGR(23-29 年)
36.7%
※ 出典:Prismark Partners LLC 「2025 Prismark Workshop, February 2025」に基づき当
社作成
※1 富士経済「2024年 半導体材料市場の現状と将来展望」(2023年実績、AI系を除く半導体用ターゲット市場における当社のシェア、販売金額ベース)
※2 当社推定
※3 当社推定。スパッタリングターゲット向け含む
DPU
(データの通信)
DRAM
(演算の記憶)
AIサーバ内の概要(当社想定)
▪ 半導体材料
▪ 情報通信材料
▪ シェア
信号ライン
光ネットワーク
電力ライン
電源
SSD
(データの記憶)
HDD
(データ保存)
さらなる微細化や多
層化が求められる次
世代半導体向け材料
省スペースかつ消費
電力が大きいGPUへ
の安定的な電力供給
のためのライン材料
高速・大容量のデータ
伝送を必要とするAI
サーバ間の光ネット
ワーク向け材料
約40%
※2
加速度的に増え続け
るデータ量へ対応す
るための大容量ハード
ディスクドライブ材料
約60%
※2
約60%
※2
高導電・高強度・耐熱
性ニーズへ対応する
ための高速伝送用コ
ネクタ材料
約64%
※1
CVD・ALD
プリカーサ材料
チタン銅
タンタル粉
InP基板
磁性材用ターゲット
CPU
(演算の指令)
タンタルキャパシタ
RDL
インターポーザ
パッケージ基板
HBM
チップ
PCB基板
TSV
約50%
※3
各種半導体を先端パッケージ内で
つなぐ配線材料
漏水センサ
(タツタ電線)
サーバの放熱対策の水冷化に伴う
漏水検知として採用拡大
半導体用ターゲット
Switch
(Switching
GPU)
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
23
価値創造戦略
イントロダクション
収益構造改革の一環として、タンタルキャパシタ向けへの供給
注力の方針から、当社子会社であるTANIOBIS GmbHにおいて
のれんの減損損失を計上したものの、AI関連需要の拡大を受け
た半導体用スパッタリングターゲットなどの製品の増販や円安を
主因に増収となり、営業利益は前期並みとなりました。こうした状
況のもと、半導体材料セグメントの当期における売上高は、前期
比20%増の1,480億円となりました。営業利益は前期比3億円
増益の267億円となりました。
半導体⽤スパッタリングターゲット
ロジック・メモリをはじめとする半導体内の配線を形成するため
に用いられる材料です。当社では銅をはじめ、タンタル、チタン、
タングステン、コバルトなど、さまざまな種類のスパッタリング
ターゲットを提供しており、いずれの製品も世界No.1※のシェア
を有しています。
半導体は年々高機能化が進んでおり、それに伴い、より細かな
配線を形成できる高品質なスパッタリングターゲットが求められ
ています。当社は、高品質な製品の安定的な供給により、半導体
メーカーや半導体製造装置メーカーと強固な信頼関係を構築し
ており、今後さらなる事業規模の成長が期待できます。
※当社の依頼により実施された外部調査機関による調査(2021年度実績、半導体用ターゲット市
場における当社のシェア、販売金額ベース)に基づき当社作成
シリコンウエハ
トランジスタ形成
回路埋め込み
研磨
パッケージング
半導体チップ
配線層形成
(何度も繰り返し)
半導体用スパッタリングターゲットが使用される工程
酸化膜形成
回路パターン形成
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
半導体チップの製造工程
セグメント概況
半導体材料セグメントは、薄膜材料事業とタンタル・ニオブ事業の2つから構成されています。薄膜材料事業の主要製品は、半導体
用スパッタリングターゲット、高純度金属、表面処理剤、化合物半導体・結晶材料です。タンタル・ニオブ事業の主要製品は、コンデ
ンサ・半導体材料・SAWデバイス向けのタンタル・ニオブ粉末です。
半導体材料セグメント
フォーカス事業
売上高
営業利益構成比(2024年度)
営業利益/利益率
事業構成比(2024年度)
0
300
600
900
1,200
1,500
(億円)
2022
1,479
1,232
1,480
2023
2024 (年度)
0
50
150
250
350
(億円)
2022
343
23.2%
21.4%
18.0%
264
267
2023
2024 (年度)
21%
20%
59%
■半導体材料セグメント
■情報通信材料セグメント
■基礎材料セグメント
100%
■薄膜材料
■タンタル・ニオブ
営業利益
※タンタル·ニオブは一過性損失の計上を主
因に営業損失
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
24
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
機会
半導体ロジック・メモリ市場は、生成AIの伸長による市場牽引
が本格化するとともに、電気自動車等の普及拡大により成長が予
想されています。最先端ロジックについては、高い成長が見込ま
れており、多層化・微細化の進展は継続するものと思われます。
当社の主力製品である半導体用スパッタリングターゲットは各
種の半導体デバイスの製造に用いられていますが、最先端ロジッ
クほど配線層数が多くなり、ターゲットの使用量が増加することか
ら、その販売量はウエハ市場の成長を上回ることが期待されます。
さらに、生成AI向けのデータセンターの建設も進んでおり、AI
サーバの出荷台数の増加が予測されています。AIサーバには半
導体用スパッタリングターゲットをはじめ、InP基板、高純度タン
タル粉、磁性材用ターゲットなど、当社製品が多く用いられてお
り、この傾向は本セグメントの収益拡大の追い風になることが見
込まれます。加えて、AIサーバには多数のGPUが搭載されてお
り、その出荷数量も大きな成長が予想されています。GPUにお
けるパッケージングではチップ間の配線(TSV・RDL)やチップレッ
ト間をつなぐ配線等の用途における成膜機会の拡大からも、当社
の半導体用スパッタリングターゲットの需要の増加を見込んでい
ます。
半導体チップにおける当社製品の使用箇所
半導体ロジック・メモリ市場の成長※1
機会とリスク
半導体チップ
絶縁層(SiO2)
絶縁層(SiO2)
シリコンウエハ
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
(百万平方インチ)
少ない
ターゲット
使用量
多い(微細化・多層化)
2017
実績
予想
2018
2019
2020
2021
2022
2023
CAGR(23-27年)
7.1%
半導体ロジックおよびメモリ
CAGR(17-22年)
6.1%
2024
2025
2026
2027(年度)
■半導体メモリ
■半導体ロジック
■その他ロジック(20nm世代以上)
■先端ロジック(10nm世代以上16nm世代以下)
■最先端ロジック(7nm世代)
■最先端ロジック(5nm世代以下)
リスク
世界経済の動向や最終製品の需要増減等の要因による半導
体市場規模が急激に変動するリスク
設備投資の実行タイミングの遅れや、市場の成長規模の見誤
りなどにより、需要の増加に対応できないリスク
当社が顧客要望に十分に応えられないケースが続いた場合
に、シェアや販売マージンが縮小するリスク
※1 富士経済「2024年 半導体材料市場の現状と将来展望」 (2023年実績、アルミニウム系を除
く半導体用スパッタリングターゲット市場における当社のシェア、販売金額ベース)
トランジスタ
半導体の回路形成やトランジスタ部分等に「チタン」
「コバルト」
「タングステ
ン」などが使用される
配線層
主要配線層として「銅」や「銅合金」が、それらを覆うバリア層として「タンタル」
が使用される
※ 出典:TechInsights Inc. “Worldwide Silicon Demand History and Forecast”(2025年3月時点、シリコンウエハ出荷面積ベース)に基づき当社作成
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
25
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
ポイント① 高品質と安定供給を両立する技術力
半導体の製造プロセスにおいては、わずかな不純物の混入で
製品の不良率が顕著に変わってしまうため、その材料にも非常に
高い品質が求められ、工程全般にわたり高度な品質管理能力が
必要になります。その点において、当社は高純度化や組成・組織
制御、表面処理、分析評価のすべての工程において高い技術と
品質管理能力を有しており、多数の金属品種において高品質な
製品の安定的な供給を実現しています。技術と品質をすべての
工程で安定的に両立させることが当社の強みであり、他企業の参
入障壁となっていると考えています。(図1)
競争優位性
(図1)半導体用スパッタリングターゲットの製造工程
(図2)半導体用スパッタリングターゲット製品のビジネスモデル
Cu2+
+
-
組成・組織制御
■複数の技術の組み合わせで高純度化を実施
■世界最高水準の
9N(99.9999999%)技術を保有
■スパッタリングに適した結晶の大きさや向きを制御・管理
⇒安定した膜質の実現
■高純度化した原料を清浄な状態を保持し各プロセスを進行
⇒パーティクル(欠陥)を抑制
■異種金属間の接合や製品表面
状態の最適化等、さまざまなノ
ウハウを蓄積
■顧客と同じ環境下で
自社製品を分析でき
るノウハウを有する
電解精製
溶解
切断
鍛造
圧延
熱処理
ボンディング
加工
分析評価
高純度化
表面制御
分析評価
メーカーとの関係構築
次世代材料に求められる
品質ニーズの獲得
半導体用スパッタリング
ターゲットを販売
先行開発
半導体製造装置
の供給
半導体メーカー
標準材料の発注
JX金属
ポイント② 半導体製造装置メーカーとの強固な関係
当社は、半導体製造装置メーカーとの強固な関係に支えられた
ビジネスモデルを構築しています。半導体メーカーからの受注を
獲得するため、製造装置に使用される標準材料として指定される
ことが極めて重要です。
当社は、長年にわたり高品質な製品を安定的に提供してきた実
績があります。主要な装置メーカーとの信頼関係により、新製品
の開発段階においては、開発当初から提案活動が可能となり、そ
の結果、他社に先駆けて量産採用されるという好循環を確立して
おり、これが当社の大きな競争優位性となっています。(図2)
ポイント③ 半導体メーカー(顧客)との長年の取引による信頼関係
当社は、長年にわたり高品質な製品を安定的に供給してきた実
績により、顧客との間に強固な信頼関係を構築しています。その
結果、当社はIntelやTSMCといった世界的な半導体メーカーか
ら、優秀なサプライヤーとして幾度も表彰を受けており、半導体
用ターゲット市場において高い参入障壁を有する確固たる地位を
確立しています。
ポイント④ グローバルな生産体制
当社は米国アリゾナ州のメサ、台湾、韓国など、主要な半導体
メーカーが生産拠点を有する地域に工場を構えており、半導体
メーカーからの変化の激しい需要にも機動的に対応できるグロー
バルな量産体制を整えています。
半導体製造装置
メーカー
JX金属製品
を標準材料
に指定
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
26
価値創造戦略
イントロダクション
経済産業省による供給確保計画の認定
経済産業省から、半導体等の安定供給確保に向けた経済安
全保障推進法に基づく支援措置の対象として、当社がひたち
なか新工場で進めている設備投資計画の一部が認定。
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
当社では、半導体需要の拡大、特に先端半導体の成長を見据
えて、引き続き顧客ニーズに合致する開発・材料提案を実施する
とともに、市場成長を捕捉する拡張投資を実行するほか、幅広い
ラインナップの次世代半導体材料の強化を図ってまいります。
当社は半導体市況の回復動向を見極め、機動的に計画を調整
しながらも、2023年度対比の半導体用ターゲットの生産能力を
2027年度には約1.6倍に引き上げることを目指しています。
具体的な施策として、半導体大手企業が新工場を建設している
米国アリゾナ州のメサに新工場(2025年度上期に商業生産開始)
を、当社先端材料分野における過去最大規模の投資となるひた
ちなかの新工場(2025年度中の試運転開始予定)を設立してい
ます。
中長期事業目標達成に向けて
成長戦略① グローバルでの半導体需要に応える生産能力の増強
半導体用ターゲットのグローバル生産体制
支援措置の概要
2025年7月リリース発表
半導体用ターゲットの生産能力見通し
2024年3月期
実績
2025年3月期
実績
2028年3月期
目標
営業利益率
21.4%
18.0%
25%〜30%
営業利益構成
比率
25%
21%
45%以上
生産場所
ひたちなか新工場(茨城県ひたちなか市)
内容
半導体用スパッタリングターゲットの生産能力の増強
必要な
資金の額
約66億円(最大助成額約22億円)
2023
実績
予想
■販売量
生産能力
2024
2025
2026
2027(年度)
約160
100
韓国JX金属株式会社
JX Advanced
Metals USA, Inc.
磯原工場
日立北工場
ひたちなか新工場(新設中)
●磯原工場
●日立北工場
●ひたちなか新工場(新設中)
上工程※の拠点
生産能力増強
●磯原工場
●ひたちなか新工場(新設中)
●韓国
●台湾
●アリゾナ・メサ
●アリゾナ・チャンドラー
下工程※の拠点
BCPの進展
台湾日鉱金属股份
有限公司
メサ新工場
ひたちなか新工場
メサ新工場
※ 溶解~熱処理工程
2023年度の生産能力を100として指数化
※ 加工·ボンディング
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
27
価値創造戦略
イントロダクション
次世代の収益の柱 結晶材料事業
結晶材料事業では、主に化合物半導体であるInP(インジウム
リン)や、CdZnTe(カドミウムジンクテルル)を製造しており、当
社グループの長年培った技術を活かし、半導体材料セグメントの
成長を加速させるべく、事業規模拡大を狙っています。
InPは、光通信用の受発光素子材料や赤外線センサ材料として
用いられ、今後データセンターやモバイル通信量の増加により高
い成長が期待される分野です。
CdZnTeは、放射線センサ、赤外線センサ素子の材料として用
いられ、防衛・メディカルなどの分野での成長が期待されています。
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
当社は、2040年長期ビジョンの実現に向けて、既存の収益基盤に加えて、将来を見据えた新たな収益の柱を構築することが重要課題であると考え、次世代半導体材料の事業規模拡大を図ってまいります。
次世代の収益の柱 次世代半導体材料事業
次世代半導体材料事業では、CVD(化学気相成長法)やALD(原
子層積層法)で使用されるCVD・ALD用材料を製造しています。
生成AIの進化によりデータセンターやAI搭載IoTデバイスの
市場が拡大し、これらの機器に必要とされる高性能半導体には、
高集積化を実現するためにさらなる微細化や多層化が求められ
ています。
これに伴いCVD・ALDによる薄膜形成のニーズが高まってい
ることから、当社はCVD・ALD用材料の量産ラインを構築し、今
後さらに生産能力を増やすため、新規プロセス開発や新規材料
開発に向けた設備強化を行っています。
成長戦略② 次世代の収益の柱づくり
2025年7月リリース発表
2025年6月リリース発表
CVD・ALD用材料
採用箇所イメージ
InP基板の設備増強投資を決定
生産能力を現行から約2割アップさせることを決定。更なる
需要増加に向けては追加投資も機動的に検討する。
CVD・ALD材料生産設備のフル操業開始
東邦チタニウム茅ヶ崎工場にてフル操業を開始。さらには当
社茨城事業所(日立地区)においても生産設備導入を実行中。
PVD※1
CVD・ALD
採用箇所
広い配線から細い配線まで幅広く
採用
PVDが適さない一部の細く深い配線
製造コストCVD・ALDよりも安価
PVDよりも高価
当社製品
半導体用スパッタリングターゲットCVD・ALD用材料
モリブデン化合物
半導体用チップの断面図
アルミニウムPVDなど
PVD+めっきが主
CVD・ALDが主
※1 Physical Vapor Deposition (物理気相成長法) の略。金属材料を気化させて基板に成膜
する方法。スパッタリング法は代表的なPVDプロセスの一つ。
InPの概要
CdZnTeの概要
InP基板
データセンター
ウェアラブル端末
受発光素子
近赤外線センサ
主な一次用途例
主な最終用途例
CdZnTe基板
CTスキャン
宇宙·防衛
放射線センサ素子
赤外線センサ素子
主な一次用途例
主な最終用途例
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
28
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
情報通信材料セグメントは、機能材料事業部と子会社である東邦チタニウム株式会社、タツタ電線株式会社の3つから構成されてい
ます。機能材料事業部の主要製品は、圧延銅箔、チタン銅、コルソン合金です。東邦チタニウムの主要製品は、超微粉ニッケル、高
純度酸化チタン、触媒製品、スポンジチタン、チタンインゴットです。タツタ電線の主要製品は、電磁波シールドフィルム、導電性ペー
スト、ボンディングワイヤ、インフラ・産業機器用電線です。
情報通信材料セグメント
フォーカス事業
サプライチェーンにおける在庫調整の一巡による圧延銅箔の
増販、AIサーバ用途での当社高機能銅合金の採用拡大等による
増販を主因に、前期比増収増益となりました。これに加えて、収
益性向上、生産性改善等を目的に推進した収益構造改革も増収
増益に寄与しています。なお、2024年8月にタツタ電線の公開
買付が成立し、同社は当社の連結子会社となり、同年11月に完
全子会社となりました。
こうした状況のもと、情報通信材料セグメントの当期における
売上高は、前期比41%増の2,651億円となりました。営業利益
は前期比242億円増益の251億円となりました。
FPC用圧延銅箔
圧延銅箔は、スマートフォン内部の部品と部品をつなぐ折り曲
げ可能な配線材料であるFPC(フレキシブルプリント基板)に用い
られ、スマートフォンの小型化や長寿命化に貢献しています。今
後は、AI搭載等によるスマートフォンやパソコン向け部材のさら
なる高機能化・微細化に加え、スマートウォッチやスマートグラス
といったウェアラブル端末等への使用拡大が見込まれます。当社
では、エンドユーザーとの関係強化を通じて開発ニーズを早期に
把握することで、競合他社に先駆けて製品の上市を行う「市場開
発型アプローチ」により、1stベンダーの地位を確保しています。
FPC向け圧延銅箔市場シェア※
セグメント概況
売上高
営業利益構成比(2024年度)
営業利益/利益率
事業構成比(2024年度)
0
1000
2000
3000
(億円)
2,228
1,881
2,651
2022
2023
2024 (年度)
0
100
200
300
(億円)
2022
214
9.6%
0.5%
9.5%
9
251
2023
2024 (年度)
■機能材料
■東邦チタニウム、
タツタ電線等
49% 51%
※ 富士キメラ総研 「2023エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」(2022年実績、FPC向
けのみ、出荷数量ベース)
JX金属
78%
営業利益
21%
20%
59%
■半導体材料セグメント
■情報通信材料セグメント
■基礎材料セグメント
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
29
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
リスク
世界経済の動向や最終製品の需要増減等の要因による市場
規模が急激に変動するリスク
設備投資の実行タイミングの遅れや、市場の成長規模の見誤
りなどにより、需要の増加に対応できないリスク
当社が顧客要望に十分に応えられないケースが続いた場合
に、シェアや販売マージンが縮小するリスク
機会とリスク
(百万m2)
0
25
50
75
100
2024年(実績)
2023年(実績)
2029年(予想)
CAGR(2024-2029年)
+7.0%
FPCの市場の成長
FPCの主な使用例
機会
AI搭載等によるスマートフォンやパソコン向け部材の更なる小
型化・高機能化に加え、スマートウォッチやスマートグラスといっ
たウェアラブル端末等の市場成長により圧延銅箔の使用拡大が
見込まれます。また、世界的なEV販売台数の増加に伴い、配線
用や誤作動防止のために用いられるシールド材用の圧延銅箔の
採用・使用量の拡大が期待されるとともに、中長期的には産業機
械、ロボット等の分野において小型化、軽量化が進み、複雑な動
きに対して耐疲労特性の強い圧延銅箔の使用量拡大が見込まれ
ています。
また、AIサーバ向けのコネクタにおいては高耐熱・高強度など
の特性が求められ、要求ニーズに応えるチタン銅の採用が急速
に拡大しているほか、高温となるAIサーバ内における冷却液の
漏液を検知するための漏液センサの需要拡大も見込まれます。
ディスプレイモジュール
メイン基板
カメラモジュール
スマートフォン·ウェアラブル端末
モビリティ (xEV/ADAS)
ギアボックス
リチウムイオンバッテリー
ミリ波レーダー
※ 出典:Prismark Partners LLC「The Printed Circuit Report Second Quarter2025」に
基づき当社作成
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
30
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
圧延銅箔の主要用途であるFPCは、導電性金属である圧延銅
箔と絶縁性を持った薄く柔らかいベースフィルム(ポリイミド等)と
を貼り合わせた基材(FCCL)に電気回路を形成した基板です。僅
かな隙間や繰り返し屈曲する可動部に用いられることから、圧延
銅箔には優れた屈曲性や耐久性が求められます。当社は独自のノ
ウハウにより高品質な薄箔の製造を実現しており、FPC用途にお
いて6μm(髪の毛の約10分の1)の薄さまで製造可能です。
当社は、FPC向け圧延銅箔のエンドユーザーと20年以上にわ
たる強固な関係を構築しており、これらのエンドユーザーとの対
話を通じて、早期の開発ニーズの把握や、ニーズに基づく材料提
案を行ってきました。当社製品がエンドユーザーから材料指定を
受けることにより、エンドユーザーに製品供給を行うCCLおよび
FPCメーカーからの安定的な受注を実現しています。
数年単位で周期的な需要変動が生じやすい市場特性を踏まえ、
需要の低迷や下振れが生じる場合においても一定の収益を確保
できる体制を目指し、各種取り組みに着手しています。まずは製
品ポートフォリオの見直しを行い、圧延銅箔、チタン銅を中心とす
る高付加価値製品の積極的拡販を推進する一方で、低収益製品
の販売を縮小する方針としています。加えて、営業面では、高競
争力製品の価格適正化や生産コスト上昇分の価格転嫁による収
益力強化、製造面では、設備集約によるコスト削減や歩留まり改
善等による生産性改善を進めており、情報通信材料セグメントに
おける損益分岐点引き下げを図っています。
競争優位性
中長期事業目標達成に向けて
2024年3月期
実績
2025年3月期
実績
2028年3月期
目標
営業利益率
0.5%
9.5%
8%~13%
圧延銅箔の優れた折り曲げ性
※1 IPC(Association Connecting Electronics Industries:米国のプリント回路業界団体)が
定める規格およびJIS規格に準拠したFPCの耐屈曲性の標準的な試験方法
※2 プリント回路産業において世界的に最も広く使用されている規格であるIPC標準のIPC-
4562A「Metal Foil for Printed Board Applications」、Grade10「Electrodeposited
low temperature annealable」に該当する電解銅箔
屈曲試験※1による疲労寿命までの屈曲回数(特殊電解銅箔を1とし指数化)
0
1
2
3
4
5
6
開発中の製品
(特許申請中)
FPC向け圧延銅箔
(HA箔)
特殊
電解銅箔※2
開発ニーズを早期に把握する市場開発型アプローチ
CCL※/FPCメーカー
※ 銅張積層板
JX金属
スマートフォンメーカー
エンドユーザー
ウェアラブル端末・
モビリティ等のメーカー
当社のアプローチ
エンドユーザーとの関係強化により早期に開発ニーズを把握し、
エンドユーザーに直接材料の提案を行う
エンドユーザーがCCL/FPCメーカーに対し、当社の銅箔を材料指定する
ことによりFPCメーカーから当社への発注がなされ、当社から銅箔を販売
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
31
価値創造戦略
イントロダクション
2040年
長期ビジョン
技術立脚型
企業への転身
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
私たちのくらしはデジタル化により急速に進化し、これからもさらなる変革が進むと考えられます。当社は、世の中に進化をもたらす
製品·技術をいち早く社会に提供できる「技術立脚型企業」を目指して、積極的な研究開発を推進しています。便利で豊かなくらしと
産業発展を下支えし、持続可能な未来社会の実現に貢献していきます。
技術・R&D戦略
JX金属の技術・R&D戦略
当社グループは、創業以来100年以上にわたり培ってきた要
素技術と、強固なR&D体制を活かし、長期ビジョンで成長戦略の
コアと位置付けた先端半導体や情報通信、リサイクル技術等の技
術革新を追求しています。革新的な技術や製品を継続的に生み
出すことを目指し、開発のための新規テーマ創出、事業化推進の
取り組みを推進しています。また、スタートアップへの出資や大
学との共同研究などのオープンイノベーションにも積極的に取り
組み、IoT・AI社会に必要とされる先端材料の開発に取り組んで
います。
先端材料の研究開発体制の強化
当社の研究開発体制は、既存製品の改良や製造プロセスの改
善など既存事業の強化を行う各事業部の開発部門と、新規事業
の創出を推進する技術本部の開発部門から成り立っています。技
術本部はこれに加えて、全社的な技術戦略の企画・立案を所管す
る機能、並びに開発段階のテーマを事業化に向けて管理するイン
キュベーション機能を有しています。高性能化が加速する半導体
の進化を支えるべく、次世代半導体に使用されるCVD・ALD用
材料および先端パッケージ材料について、それぞれ、技術本部技
術戦略部内に「CVD・ALD材料事業推進室」「先端パッケージ材
料事業推進室※」を設置しました。今般設立した新組織のもと、次
世代半導体材料の早期事業化に向けて、量産ラインの構築や新
規プロセス開発、新規材料開発に向けた設備強化を積極的に行っ
ています。
※ 2025年10月1日付組織改正により、データインフラ材料事業推進部に統合。
R&D戦略の全体像
研究開発費(2024年度実績)
新規材料
6,523
半導体材料
5,738
基礎材料
1,312
情報通信材料
4,184
知的財産
製品・
サービス
2024年度
17,757百万円
コア技術
高純度化
表面制御
粉体制御
分離 抽出 精製
組成・組織制御
分析 評価 解析
精密圧延 精密加工
R&D領域
⃝次世代半導体材料
⃝先端パッケージ材料
⃝フォトニクス材料
⃝レアメタル
リサイクル技術
社内研究開発体制
社外連携
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
32
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
社外連携による新規事業創出
当社技術開発においては、産学連携やスタートアップ、ベンチャーキャピタルファ
ンドへの出資など外部が保有する独自の技術と当社が保有するコア技術の融合によ
り革新的イノベーションの創出、スピーディーな事業化へ向けた取り組みを進めて
います。
産業技術総合研究所/プリンテッドエレクトロニクス(PE)
プリンテッドエレクトロニクスは印刷技術を用いて電子回路やデバイスを製造する
次世代の配線形成技術で、従来の配線形成方法に比べて、省資源、省エネルギー、
低環境負荷という特徴があります。当社は産総研と共にこのプリンテッドエレクトロ
ニクスで使用される導電性インクや印刷技術、焼結技術などについて開発を進めて
います。
知的財産戦略
当社グループが目指す技術立脚型企業においては、知的財産が重要な資産となります。そこで「JX金属グループ 知
的財産に関する基本方針」を2022年度に制定し、グループ全体で知財活動を推進しています。
知的財産体制
社長直下の技術本部内に知的財産部を配置し、「三位一体」をキーワードに、経営層・事業部門・技術部門との連携強
化を図り、経営戦略、事業戦略および技術戦略を反映した知的財産戦略を検討し、実行しています。知的財産部内には、
事業分野ごとに分けた複数のグループを設け、担当する事業部などと連携しながら事業分野ごとに最適化した知的財
産活動を展開しています。
当社知的財産の推進、保護
当社グループでは、特許法に従い、「職務発明の取扱
いに関する規則」を制定しています。出願時および登録
時の奨励金に加え、利益をあげた特許の発明者や優れ
た発明を考案した発明者を表彰する当社独自の制度を
設け、開発および発明意欲を促し、技術立脚型の企業活
動を推進しています。
知財情報の活用
当社グループでは、知財情報(特許情報など)を技術トレンド把握のためのビッグデータと捉え、さまざまな目的で活
用しています。例えば、IPランドスケープ活動の一環として、自社・他社の特許情報を事業情報、市場情報などと組み
合わせて調査・分析を行うことにより、顧客ニーズ・技術動向の変化を先取りし、事業戦略の立案、開発テーマ創出、パー
トナー探索などに貢献しています。また、知的財産担当者以外にも知財情報の活用を促進する取り組みも行っています。
知財人材の育成等
当社グループでは、知的財産の適切な取得・保護・活用および知的財産リスクのマネジメントの観点から、事務系を
含めた全社員に対し、体系的なプログラムに基づき独自の教材を用いて知的財産教育を実施しています。また、年々高
度化する知的財産業務に対応するため、知的財産部では、弁理士資格やAIPE認定知的財産アナリストの取得を奨励す
るとともに、最新の知財関連知識の共有を推進し専門性向上に努めています。
特許保有件数
Alloyed社
金属AM(Additive Manufacturing)技術は複雑な形状の金属部品を製造する
技術で、従来の加工製造技術では難しかった形状や少量多品種生産に適した製造技
術です。この金属AM技術では使用される金属粉末が重要であり、開発においてイ
ギリスのスタートアップ企業であるAlloyed社と連携し、用途別に金属粉末の開発
を進めています。
透明ヒータ
透明アンテナ
微細配線
透明電磁波シールド
0
2,000
4,000
6,000
8,000
(件)
国内
海外
’12
’13
’14
’15
’16
’17
’18
’19
’20
’21
’22
’23
’24
2,005
2,005
3,853
3,853
5,858
(年度)
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
33
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
基礎材料セグメントをベース事業と位置付け、銅・レアメタルの安定供給を通じてフォーカス事業を支える役割を担っています。
資源
主要製品:銅精鉱、電気銅、タンタル精鉱など
金属・リサイクル
主要製品:電気銅、型銅、貴金属、硫酸など
基礎材料セグメント
ベース事業
円安や銅価上昇に伴う増益要因はあるものの、2023年7月に
実施したカセロネス銅鉱山運営子会社であるSCM Minera
Lumina Copper Chile(MLCC)株式の一部譲渡に伴い生じた
為替差益や2024年3月に実施したパンパシフィック·カッパー
(PPC)株式の一部譲渡による同社売上高および利益の剥落を主
因として、前期比減収減益となりました。こうした状況のもと、基
礎材料セグメントの当期における売上高は、前期比75%減の
3,065億円となりました。営業利益は前期比27億円減益の745
億円となりました。
製錬事業の収益性の低下、鉱山事業における開発コストの上
昇やそれに伴うボラティリティの増加などを踏まえ、2019年の長
期ビジョン策定以降、鉱山、製錬に係る事業の売却・縮小を進め
る一方で、収益性、効率性の高いリサイクル事業へのシフトや、
地政学リスクの高まりを受けてますます重要性が増してきている
レアメタルやレアアースの確保を進めています。
資源事業
金属・リサイクル事業
セグメント概況
ロス・ペランブレス銅鉱山
カセロネス銅鉱山
エスコンディーダ銅鉱山
JX金属製錬(株)佐賀関製錬所
売上高
営業利益構成比(2024年度)
営業利益/利益率
事業構成比(2024年度)
0
3,500
7,000
10,500
14,000
(億円)
13,057 12,270
3,065
2022
2023
2024 (年度)
0
200
400
600
800
(億円)
2022
291
2.2%
6.3%
24.3%
772
745
2023
2024(年度)
21%
20%
59%
■半導体材料セグメント
■情報通信材料セグメント
■基礎材料セグメント
■資源
■金属・リサイクル
73%
27%
営業利益
会社概況
サステナブル経営
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
34
価値創造戦略
イントロダクション
価値創造の軌跡 価値創造モデル 価値創造の源泉 担当役員メッセージ セグメント別戦略 [半導体材料セグメント] [情報通信材料セグメント] [技術・R&D戦略] [基礎材料セグメント]
機会
脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入が拡
大するとともに、さまざまな産業や領域において電化が進行して
おり、中長期的に銅の需要拡大が見込まれます。一方で既存鉱山
からの銅鉱石の供給量には限界があり、銅の需給はひっ迫するこ
とが見込まれています。脱炭素に向けた世界的な環境意識の高
まりにより、リサイクル原料確保への動きが加速しています。
生産規模縮小の検討を開始 製錬事業強靭化の加速
グリーンハイブリッド製錬
製錬の過程で、化学反応により、銅精鉱自らが発する熱を使い
リサイクル原料を溶解することで、化石燃料がほぼ不要となる
リサイクル原料を増やしていくが、銅精鉱は熱源として、最適
なバランスで使用
銅鉱石とスクラップを組み合わせたグリーンハイブリッド製錬
機会とリスク
ベース事業戦略
ミブラ鉱山(ブラジル)
リサイクル原料
当社銅製品
銅精鉱
2023年
2040年まで
(目標)
リサイクル原料
硫黄分などの燃焼熱を利用した
低CO2溶解・分離
リサイクル原料比率
50%
リスク
金属価格や為替変動等による経営成績および財政状態に影響
を及ぼすリスクに加え、
資源ナショナリズムによるロイヤリティ課税や高付加価値化政
策の導入といった地政学リスク
リサイクル原料の囲い込みによる原料調達リスク
銅製錬の収支構造
売上と鉱山・リサイクル原料業者から受け取る製錬委託料収入から、
原料コストや操業コストを差し引いたものが利益となる構造
精鉱製錬の低い収益性・成長性
高収益なリサイクル原料
製錬事業強靭化のイメージ
現状
生産規模縮小によるコスト削減
×
リサイクル原料比率向上
➡利益率向上
銅精鉱製錬
TC/RCの大部分は需給で決ま
り、取扱量の大きい中国製錬所
が価格決定力で優位となり、収
益性の低下が顕著に。
リサイクル原料製錬
原料の効率的な処理技術と、信
頼性の高い有価金属の分析技
術を保持。技術力をもとに高い
市場競争力を発揮できるため、
収益性が高い。
収入
コスト
売上
(電気銅・
貴金属等)
+
製錬委託料
(TC/RC)
原料コスト
+
操業コスト
利益
利益
技術力による利益拡大が可能
収入
コスト
利益
利益
生産規模縮小
銅精鉱製錬
比率減
リサイクル原料
製錬比率増
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
イントロダクション
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
35
サステナビリティ推進会議
社長の諮問機関である「サステナビリティ推進会議」では、サス
テナビリティ推進に関する基本方針や活動計画、およびそれらの
モニタリングを行っています。サステナビリティ推進会議は社長
を議長、当社の経営会議のメンバーを構成員(社外取締役もオブ
ザーバーとして参加)とし、原則として年2回開催されます。サス
テナビリティに関わる重要事項については、取締役会·経営会議
に適宜、付議·報告しています。
また、サステナビリティのグループ全体における推進·浸透を
図るため、下部機関として、各部門、グループ会社等のサステナ
ビリティ推進責任者により構成される「サステナビリティ推進責任
者会議」を設置しています。
2024年度は、サステナビリティ推進会議を6月と12月に開催
し、各重点項目の活動方針および活動状況の報告などを議論しま
した。
サステナビリティ推進体制 資源循環×脱炭素 人的資本経営の推進 人権の尊重 ガバナンスの強化
マテリアリティの特定
当社グループでは、2040年長期ビジョンの実現に向けて、優
先的に取り組むべき6つのマテリアリティを特定しています。各マ
テリアリティはKPIを設定したうえで、サステナビリティ推進会議に
て達成度合いを測定·評価しながら運用しています。これらは、世
界的な社会課題とSDGsが掲げるゴール、国際ガイドライン(GRI、
ISO26000等)、国内外イニシアティブ、同業他社の動向などを踏
まえて、右記のステップにより特定しました。なお、特定したマテリ
アリティは、今後の社会情勢やニーズの変化、経営戦略等に応じ
て内容の見直しを定期的に実施していく予定です。
2024年度のサステナビリティ推進会議における主な議論内容
マテリアリティ/KPIの進捗状況
サステナビリティ情報開示に係る規制動向と当社の対応方針
銅資源循環スキームに関する検討状況
気候変動目標の進捗や実績に関する報告
人権尊重に向けた当社グループの対応状況 等
STEP1
当社グループ事業活動の評価
STEP2
ステークホルダーからの期待·要請を抽出
STEP3
取り組むべき課題の優先順位付け
STEP4
マテリアリティ·KPIの設定
サステナビリティ推進体制
サステナブル経営
価値創造戦略
当社グループは、JX金属グループフィロソフィー「価値をつくる、未来をつくる」のもと、
持続可能性に資する事業活動を通じて、経済·社会の持続可能な発展に貢献するとともに、
自社の長期的な成長の実現を追求します。
サステナブル経営
当社は、JX金属グループ各社の役員および従業員一人一人が
サステナビリティ推進活動を継続的に実践することを目指し、関連会議体を整備しています。
また、2040年長期ビジョンの実現に向けて、優先的に取り組むべき6つのマテリアリティを特定しています。
取締役会
経営会議
サステナビリティ
推進責任者会議
議長:サステナビリティ推進室管掌役員
コーポレート部室長·各事業本部管理部長
各事業所·国内外グループ会社代表者
サステナビリティ推進体制
コンプライアンス委員会
安全・環境委員会
カーボンフリー委員会
サステナビリティ
推進会議
※常勤監査等委員および社外取締役はオブザーバーとして参加
議長:社長
取締役※·執行役員
事務局:サステナビリティ推進室
事務局:サステナビリティ推進室
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
イントロダクション
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
36
サステナビリティ推進体制 資源循環×脱炭素 人的資本経営の推進 人権の尊重 ガバナンスの強化
マテリアリティ・KPI一覧表
マテリアリティ
取り組み内容
2024年度KPI
自社評価
2024年度実績
2025年度KPI
地球環境保全
への貢献
脱炭素社会の実現や循環型
社会の形成を通じ、地球環
境保全へ貢献する。
リサイクル原料比率・リサイクル原料品目の拡大
に向けた取り組みの推進
◯
リサイクル原料増処理に向けた設備増設や新規プロセスの調査・試験などに取り組みました。また、マスバランス方式を活用した2
種類の100%リサイクル電気銅(PCL100/mbおよびMR100/mb)の社会実装を目指し、銅の利用にかかわるさまざまなお客様と
の間で、リサイクル原料の増集荷等を伴う取引スキームの詳細化に関する協議を進めました。
リサイクル原料比率・リサイクル原料品目の拡大に向けた取り組
みの推進
埋立処分比率 【2024年度:1%未満】
◯
環境に及ぼす影響を最小限に抑えることを目的として、廃棄物を削減すべく埋立処分比率1%未満※を維持する目標を掲げています。
2024年度の埋立処分比率は0.46%でした。
※ タニオビス社の埋立処分量の絶対値は他拠点と比べて大きく、かつリサイクルも技術的に大変困難です。そのためタニオビス社以外の拠点の削減
効果を適切に反映すべくタニオビス社を除外したバウンダリでKPIを運用しています。なお、タニオビス社を含めた算定値は(1.50%)です。
埋立処分比率 【2025年度:1%未満】
温室効果ガス自社総排出量2018年度比2030
年度50%削減、2050年ネットゼロに向けた取り
組みの推進
◯
目標達成に向けて各拠点でのCO2フリー電力の継続使用や、新規技術導入の検討を継続して行いました。また、カーボンフリー委
員会を通じて脱炭素ビジョンを策定し、当社グループがネットゼロ達成のために実施する施策を社内外に公表しました。
温室効果ガス自社総排出量2018年度比2030年度50%削減、
2050年ネットゼロに向けた取り組みの推進
くらしを支える
先端材料の提供
新規の技術開発を推進し、
IoT・AI社会の実現に貢献
する。
技術立脚型経営を支える体制の構築
◯
技術立脚型経営に向け、革新的な技術や製品を継続的に生み出すことを目指し、開発のための新規テーマ創出、事業化推進の取り
組みを推進しました。さらに、新たなイノベーションを生み出す開発人材の育成、チャレンジする組織文化の醸成等に取り組みました。技術立脚型経営を支える体制の構築
ー
ー
ー
生成AIを活用した働き方の改革、AI活用文化・企業風土の醸成
IoT/AI社会に必要とされる先端材料の開発
◯
次世代半導体・先端パッケージ材料や情報・通信用途として注目される結晶材料について、開発、事業化を推進するための組織体制
の変更・整備を行いました。また、スタートアップへの出資や大学との共同研究などのオープンイノベーションによりIoT・AI社会に
必要とされる先端材料の開発に取り組みました。
研究開発費における先端材料・新規事業に関わる研究開発費比
率【2025年度:80%以上】
魅力ある職場の
実現
すべての従業員が安心・安
全かつ健康的に働ける環境
を実現する。
多様な人材が働きがいを感
じながら個々の能力を最大
限発揮できる環境を実現す
る。
人と組織の活性化に向けた取り組みの実施
◯
従業員意識調査を実施し、社員の声を積極的に取り入れ働きがいのある職場環境づくりに努めるとともに、社内公募制度やカムバッ
ク制度の導入等によって人材の流動化を支援するなど、組織全体の活性化を図る取り組みを進めています。
人と組織の活性化に向けた取り組みの実施
年休取得率の向上【2024年度:80%以上】
◯
年休を取得しやすい職場環境の醸成や年休奨励日の増設などの取り組みの継続実施により、年休取得率は82.0%となりました。今
後もさらなる取得向上に向けた働きかけを実施していきます。
年休取得率の向上【2025年度:80%以上】
障がい者雇用率の維持・向上【2024年度:2.5%
以上】
◯
2024年度の障がい者雇用率は2.83%(特例子会社含む集計値)となりました。今後も障がい者雇用率の維持・向上を目指すととも
に、障がいのある方が充実した社会生活を送れるよう、積極的な支援と各種施策を展開していきます。
障がい者雇用率の維持・向上【2025年度:2.7%以上】
重大な労働災害発生の低減【2024年度:年千人率
(休業4日以上)0.7以下】
×
2024年の年千人率は1.01となりました。災害発生の事実を厳粛に受け止め、リスクアセスメントの実効性向上や、事故原因究明の
ための従業員の能力向上等を通じて、安全衛生マネジメントシステムの継続的な改善に取り組むとともに労働災害防止に努めていき
ます。
重大な労働災害発生の低減【2025年度:年千人率(休業4日以
上)0.7以下】
従業員の健康増進に向けた取り組み【2024年度:
がん検診受診率80%以上】
◯
2024年度受診率は前年度(68.8%)から上昇し、83.5%となりました。従来JX金属に所属する社員を対象に行ってきており、その効
果は年々表れています。今後も引き続き、かかる諸施策(がん検診が備わった定期健康診断・人間ドックコースの設定、本社・各箇所
健康相談室によるフォロー、がん検診推奨リーフレットの配布等)を社内に展開していくことで、従業員の健康意識を高め、受診率向
上につなげていきます。
従業員の健康増進に向けた取り組み【2025年度:がん検診受診
率80%以上】
人権の尊重
地域住民、顧客、従業員、
取引先を含むすべてのサプ
ライチェーンに関わる人々
の人権を尊重した事業活動
を行う。
サプライチェーンにおける人権調査の実施
◯
原料の調達においてOECDガイダンスに準拠したサプライチェーン・デュー・ディリジェンスのマネジメントシステムを構築し、運用
しています。2024年度も銅、金、銀、プラチナ、パラジウム、タンタルについて外部監査を受審し、適切な対応がとられていること
が認められました。
サプライチェーンにおける人権調査の実施
人権研修の受講率【2024年度:100%】
◯
人権の尊重を企業行動規範や人権方針、その他社内規則に定めるとともに、グループ各社にて、人権意識の向上と人権問題の発生
防止を目的として、人権研修やeラーニングを継続実施しています。2024年度も役員・従業員を対象とした人権研修を実施し、受
講率は100%でした。
人権研修の受講率【2025年度:100%】
地域コミュニティ
との共存共栄
国内外の各事業拠点におい
て地域に根差した社会貢献
活動やコミュニケーションを
行うことにより、地域社会と
の信頼関係を醸成する。
地域コミュニティとの対話の継続
◯
国内外の各事業拠点において地域に根差した社会貢献活動や地域とのコミュニケーションを行うことにより、事業活動の基盤となる
地域社会との信頼関係構築に努めました。
事業活動の基盤である地域社会との信頼関係の構築
ガバナンスの
強化
コンプライアンスの徹底や
リスクマネジメント活動の推
進により、事業経営の健全
性・透明性を確保する。
事業特性・社会動向等を踏まえたコンプライアン
ス研修の実施
◯
当社グループでは、役員・従業員のコンプライアンス知識・意識向上を目的として毎年度コンプライアンス研修を実施しています。
2024年度も例年実施している階層別のコンプライアンス研修のほか、事業特性や社会動向等を踏まえ、国内外でハラスメント研修、
安全保障貿易管理教育などを実施し、さらに、当社の株式上場に向けた対応の一環として、インサイダー取引防止に関する研修など
を行いました。
事業特性・社会動向等を踏まえたコンプライアンス研修の実施
全社的リスクマネジメントの成熟度向上
◯
当社グループでは、リスクマネジメントのガイドラインである「ISO31000」を参考にして構築した全社的リスクマネジメント(ERM)に
基づく活動に取り組んでいます。2024年度も、ERMを企業価値の向上により資する取り組みとするべく定めた「JX金属グループの
ERMのあるべき姿」の達成に向け、ERMの仕組みの継続的な改善に取り組みました。改善にあたっては、外部機関の成熟度モデル
を活用し現状とのギャップを分析した上で、従来の運用改善や対策となる施策を企画・実施しました。
全社的リスクマネジメントの成熟度向上
ー
ー
ー
重大なセキュリティインシデントの発生0件
ー
ー
ー
品質管理教育の実施【2025年度教育受講者数:500名以上】
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
イントロダクション
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
37
サステナビリティ推進体制 資源循環×脱炭素 人的資本経営の推進 人権の尊重 ガバナンスの強化
私たちJX金属グループは、「地球環境保全への貢献」をマテリアリティの一つと位置付けています。この着実な推進に向け、環境基
本方針のもと、「資源循環」「脱炭素」「ネイチャーポジティブ」を取り組みの「三本柱」に設定し、それぞれの関係性を意識した統合的
なアプローチを展開しています。本統合報告書では、これら「三本柱」の中でも特に関連の深い「資源循環」と「脱炭素」に焦点を当て
てご紹介します。
資源循環×脱炭素
資源循環×脱炭素の全体像
当社グループの社会的な役割の一つとして、資源循環の推進
と、脱炭素の実現への貢献が挙げられます。そこで当社では以前
より、リサイクルの促進と、化石燃料の利用の抑制を重要な課題
と捉えて活動を進めてきました。例えば、銅の製造について、当
社グループのJX金属製錬株式会社佐賀関製錬所は、世界でも有
数の規模と、低いCO2排出原単位だけでなく、高いリサイクル率
も既に実現しています(当社の製錬方法の特徴については、
P.34参照の「グリーンハイブリッド製錬」をご覧ください)。また、
リサイクル比率をさらに高めることを計画しています。さらに、最
近では、複数の銅の需要家との協議を重ね、銅の供給のあるべ
き姿を検討してきました。その結果として、資源循環と脱炭素の
両立に加えて、安定供給と経済性の担保を新しい要素として加え
ることにしました。これは、銅資源の枯渇や、銅価格の高騰が、脱
炭素の実現はもちろん、社会の発展に悪影響を及ぼす可能性を
危惧したためです。当社グループでは、この3つの側面から、最
適な銅の姿(サステナブルカッパー)の実現を目指します。
資源循環プロセスにおける脱炭素効果
ネイチャーポジティブに関する取り組みはサステナビリティサイトを参照ください。
ネイチャーポジティブ
https://www.jx-nmm.com/sustainability/materiality/environment/nature-positive/
銅精鉱の使用低減
リサイクル原料の回収/活
用の推進による銅精鉱由来
のCO2排出の回避
資源循環と脱炭素の両立
リサイクル原料増集荷
グローバル集荷体制の構築
技術付加価値
だけでなく、
環境付加価値
の高い製品の提供を通じて、
持続可能な発展
へ貢献する
グリーンハイブリッド製錬の
推進
リサイクル原料利用拡大に
向けた技術開発
リサイクル材の
社内利用推進
その他
•銅分100%リサイクル高機
能伸銅品
•ユピノーグ(高純度硫酸銅)
電気銅
マスバランス製品の提案
•PCL100/mb
•MR100/mb
低CFP製品の提供
顧客にとっての原料のCFP
の削減につながる低CFP製
品の提供
低CO2溶解・分離
銅精鉱自らが発する熱を使
いリサイクル原料を溶解す
ることで化石燃料がほぼ不
要となる
資源循環を通じて、
①拡大する需要を支える安定
供給
②脱炭素社会の実現への貢献
という2つの使命を達成
❶リサイクル原料集荷
❸高リサイクル率製品
JX金属
社会
❷リサイクルの促進
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
イントロダクション
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
38
サステナビリティ推進体制 資源循環×脱炭素 人的資本経営の推進 人権の尊重 ガバナンスの強化
2024年
2030年
2040年
50%
[その他]
●CFP可視化、物流パートナー企業と協力した取り組み
[原料集荷]
[技術開発]
リサイクル
原料比率
●製錬プロセス最適化
(不純物制御、熱回収技術導入)
●リサイクル原料の新規前処理技術開発・導入
●製錬プロセスへのカーボンフリー熱源(水素等)導入
●リサイクル原料前処理技術(AI選別、粉砕、乾燥)の深化
●焙焼処理によるリサイクル原料処理促進
●リサイクラーとの協同体制確立
●受け入れ、サンプリング、分析評価能力拡充
●パートナー企業とのクローズドループ・リサイクル推進
リサイクル原料集荷体制の強化に向けたロードマップ
当社グループの3つの使命
②リサイクルの促進
グリーンハイブリッド製錬
社会の発展には電力が必要不可欠です。また、カーボンニュー
トラルの実現には、燃料の消費を抑制し、社会の電化を進めて行
くことが重要です。このため、電気抵抗の小さい銅の需要は今後
も拡大していくと予想されています。しかしながら、既存鉱山から
の銅鉱石やリサイクル原料の供給には制限があり、銅の需要が逼
迫すると予想されています。当社の推進する「グリーンハイブリッ
ド製錬」P.34参照は、化石燃料の使用を最小限とし、低CO2溶解・
分離を実現する製錬手法です。
これにより、拡大する需要を支える銅の安定供給体制と、資源
循環の推進、並びに脱炭素社会への貢献という、3つの使命を果
たします。
①リサイクル原料集荷
グローバルな集荷体制の構築
リサイクル原料集荷体制の強化のために、2022年8月にカナ
ダのリサイクラーであるeCycle Solutions Inc.の全株式を取
得、2023年4月から双日株式会社との協業を行っています。さ
らに、2024年4月には三菱商事株式会社(以下、三菱商事)とと
もに、廃家電や廃電子機器、廃車載用リチウムイオン電池等の再
利用を推進する目的でJX金属サーキュラーソリューションズ株式
会社を新設し、同年7月に事業を開始しました。三菱商事の持つ
産業横断型のグローバルなネットワークや知見を活用すること
で、リサイクル原料集荷やサプライチェーン全体の連携を強化し、
銅やレアメタル等の非鉄金属資源の更なる拡大を目指します。
MW当たりの発電容量に対し、再
エネは化石燃料より約4倍の銅を
使用
化石燃料:~1トン/MW
再エネ:~4トン/MW
4x
従来型の供給網に比べ、再エネに
よる分散型供給網は約2倍の銅を
使用
集権型:~10トン/km
分散型:~20トン/km
2x
EVは内燃機関車両に比べて約4倍
の銅を搭載・使用
内燃機関車:24kg/台
EV:94kg/台
4x
資源循環
脱炭素
安定供給・経済性の
担保
資源循環
精鉱利用の低減
リサイクル促進
安定供給・経済性の担保
都市鉱山の最大限の利用
鉱山資源の適正な活用
既存製錬設備の有効活用
脱炭素
精鉱・化石燃料利用の低減
余剰熱の最大限の活用
グリーンハイブリッド製錬
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
イントロダクション
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
39
サステナビリティ推進体制 資源循環×脱炭素 人的資本経営の推進 人権の尊重 ガバナンスの強化
③高リサイクル率製品
マスバランス方式を用いた100%リサイクル電気銅
マスバランス方式を用いた2種類の100%リサイクル電気銅
「PCL100/mb(Partnered Closed Loop 100% mass balance
method)」と「MR100/mb(Mixed Recycle100% mass balance
method)」 を2024年度中に上市しました。
「PCL100/mb」では、お客様(図中ではA社)が回収した使用
済み製品や、お客様の工場で発生した工程スクラップをリサイク
ル原料とし、その由来を保証した100%リサイクル電気銅として
お返しします。2024年7月には、この管理の体制(CoC管理体
制)について、第三者による妥当性の確認を完了しています。
他方、「MR100/mb」の場合は、原料の由来と電気銅の紐づけ
は個別には行いません。当社が市中から集めたリサイクル原料と
それに含まれる銅量の管理のもと、マスバランス方式を用いてリ
サイクル100%の電気銅として供給します。
当社は、本商品(PCL100/mb)を含めた当社グループが生産
する100%リサイクル銅製品を「Cu again(シーユー アゲイン)」
という製品シリーズとして社会実装を進めてまいります。また、現
在、「PCL100/mb」のスパッタリングターゲットへの展開の可能
性について、顧客との協議を行っています。
銅分100%リサイクル高機能伸銅品
「Cu again」プロジェクトの一環として、原料の100%リサイク
ル化を実現した高機能伸銅品の販売を2025年1月に発表しまし
た。本ラインナップの第一段として、チタン銅合金およびコルソ
ン合金の条や箔の提案を開始しています。本取り組みでは、当社
グループ企業と連携し集荷したリサイクル原料を、当社が独自開
発した不純物分離および不純物混入抑制技術を活用することによ
り、高機能伸銅品へと再生させています。また、第三者機関UL
Solutions社より、原料100%リサ
イクルであるとの検証(UL2809)
を受けており、これにより高い信頼
性を確保しています。
ユピノーグ(高純度硫酸銅)
ユピノーグは、UL 2809 Environmental Claim Validation
Procedure (ECVP) for Recycled Contentのプログラムによ
り、リサイクル100%であることが確認されている高純度硫酸銅
です。ユピノーグは原料を厳選した上で、当社独自の高純度化処
理技術により製造され、鉱石由来や排液由来の硫酸銅と比べ不
純物レベルが低く、高純度品の安定供給が可能です。プリント基
板のスルーホールやビアフィル用の銅めっき液、半導体のダマシ
ン用やTSV用などの銅めっき液
として半導体の前~後工程での
採用実績に加えて、高性能の触
媒の原料など、数多くの採用実
績があります。
製品・部品の廃棄
現代社会
市中のリサイクル原料
MR100/mb
(リサイクル100%電気銅)
その他の電気銅
(原料を指定しない)
PCL100/mb
A社由来のリサイクル原料
(から製造した電気銅)
A社
A社の部品・製品
A社からのリサイクル原料
(工程端材を含む)
銅精鉱
銅製錬所
マスバランス方式
銅の利用
製品・部品の回収
製品・部品の製造
調達(購買)
製品・部品の
利用
当社の提案する2つのリサイクルスキーム
JX金属のリサイクル銅
https://www.jx-nmm.com/
products/cu_again/index.html
会社概況
サステナブル経営
価値創造戦略
イントロダクション
トップメッセージ
JX Advanced Metals Integrated Report 2025
40
サステナビリティ推進体制 資源循環×脱炭素 人的資本経営の推進 人権の尊重 ガバナンスの強化
脱炭素に向けた取り組み
2050年度CO2自社総排出量ネットゼロのイメージ
JX金属グループ Scope1,2排出量の推移
0
500
1,000
1,500
2,000
国内Scope1
(千t-CO2)
2018年度
538
821
167
285
1,811
718
597
376
183
170
370
107
51
47
10
2023年度
2024年度
2022年度
797
386
193
152
66
国内Scope2
海外Scope1
海外Scope2
Scope1,2,3排出量(2024年度実績)
Scope3 1,022
Sco
决策记录链 · 只追加
每次领取产生一条记录,重新决策追加一条并以 supersedes 指向被替代的记录(ADR 0014)。
这条决策早于决策账本(2026-10-08 起逐条追加),没有追加记录。